ティミの街路および街区割に関する考察 : カトマンドゥ盆地都市の計画モデュールに関する研究(その1)

概要

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ティミについては論文集にこれまで3篇発表している。それをもとに著者は、学位請求論文をまとめるに至ったが、本稿は、これまで未発表の都市計画のモデュールに焦点を当てた論考の第一稿とするものである。ネパール(カトャンドウ盆地)における街区規模、建築設計に用いられたモデュールについては、これまで漠然と古代インドのマナサラなどが用いられてきたことが前提とされてきたが、本稿は、それをまず、ティミについて具体的に明らかにするものである。本稿の発見の大きなきっかけとなったのはティミの東に接する畑地ラヴァドルLavadolの土地割りである。畑地の南北の幅を計測してみると、ほぼ等しく、アルタシャストラに言う2ラジ=20ダンダとなる。そして、この単位は、ラヤクLayakuと呼ばれるかつての宮殿付近の街区割りにも用いられている。この寸法単位をもとにすると、前稿で明らかにしたティミの発展段階をさらに裏づけることができる。ラヴァドルはティミの建設に先立って計画されており、中心部分ラヤクはそのモデュールを踏襲している。本研究は、カトウマンドウ盆地の都市全体に眼を拡げ、ティミの分析をもとにパタンについて検討を行った。極めて複雑に見えるパタンの街路体系、街区割りであるが、同じように極めて整然としたモデュールに基づいていることが明らかとなった。続稿としたしい。
社団法人日本建築学会の論文
2003-12-30

ティミの街路および街区割に関する考察 : カトマンドゥ盆地都市の計画モデュールに関する研究(その1)

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