畜産食品の保存に関する研究 : 第II報 粉乳に対するガス殺菌効果
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概要
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本研究は乾燥農産物の殺菌に利用されているエチレンオキシドガスを用いる殺菌を畜産食品に応用することを目的とした。今回は凍結乾燥法で未殺菌乳より製造した全脂粉乳に対するガス殺菌を試験した。エチレンオキシド30%,ガス圧1.0kg/cm^2,35℃,24時間の処理で粉乳は食品衛生法で定めている生菌数g当り50,000以下,大腸菌群陰性となる。粉乳より残留エチレンオキシドの除去は比較的容易で25ppm以下にすることができる。従って残留ガスの毒性は無視できる。乳の代表的酵素,キサンチンオキシダーゼ,ホスファターゼおよびリパーゼ活性はガス処理によりそれぞれ最初の活性の32.7,22.5および37.0%に減少した。またチアミン,リボフラビン,ビタミンAは10〜15%減少したが,もっとも不安定なL-アスコルビン酸の減少は全く認められなかった。エチレンオキシドは乳タンパク貧とくにカゼインを部分的に変性せしめ,その結果,レンネット凝固性,溶解性,遊離SH基量に大きな影響を与える。本研究を遂行するに当り,ガス殺菌処理に関して色々御教示下さり,また装置をお借し下さいました日本ガス殺菌工業株式会社ならびに同社西岡昌弘氏に深く感謝致します。
- 明治大学の論文
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