日本人の死別悲嘆 : 性差について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は、日本人の死別悲嘆反応に性差が存在するか否かを明確にすることである。また経時期には死別後の宥和期までの4.5年(宮林、2003)、つまり死別前半期群137人と後半期群119人と、256人の全対象者の男性47人と女性209人で性差を検討した。また遺族の対象喪失者は、親57人、配偶者147人、子供51人、不明1人であった。方法:比較検討では一般健康尺度GHQ、軽度欝の気分障害尺度SRQ-D、そして日本人の悲嘆反応の測定にはMGMを使用し、また参考に欧米悲嘆尺度GEIとVASの両尺度(VAS-Grief、VAS-happiness)を併用した。結果:死別前半期はGHQ、SRQ-D共に男性よりも女性の得点が高く健康状態と気分障害に性差が見られた。(p<.05)。後半期は全尺度に性差が無かった。またMGMの結果は、表出態度から受ける印象とは異なり悲嘆反応に差は無く男女同様であった。さらにMGM下位尺度の思慕と空虚cherished reminiscencesや疎外感alienated feeling、鬱的不調mood stability、適応の努力facing up toでも決定的な男女差は認められず、男女共に同程度に悲嘆反応が時々から頻繁に出現している。また後半期では、特に女性では思慕と空虚が長期にわたり続行していた。死別前半期と後半期の比較では、ほぼ全尺度で有意に軽減していた。
著者
-
山川 百合子
茨城県立医療大学付属病院
-
山川 百合子
茨城県立医療大学保健医療学部医科学センター
-
山川 百合子
順天堂大学 医療看護学部
-
宮林 幸江
茨城県立医療大学保健医療学部看護学科
-
山川 百合子
茨城県立医療大学医科学センター
関連論文
- 地域中高年者が社会貢献性のある役割を新たに獲得することによる健康関連QOLの変化 : 予備的検討
- 日本人の死別悲嘆 : 性差について
- 中学生の自己性と社会性の均衡状態(balance of life)の特徴と社会的環境要因との関連
- 主観的QOL評価尺度としてのBOL-P(2)SP座標とCLの分布を中心に
- 多剤・大量処方からの脱却と新規抗精神病薬
- 3-5-25 慢性脳血管障害者の総合的追跡調査(第3報)QOL変化の推移 : 入院から発症5年(脳卒中(その他(2)),口演,一般演題,リハビリテーション医学の進歩"評価から治療介入へ",第45回日本リハビリテーション医学会学術集会)
- 1-P1-26 慢性脳血管障害者の総合的追跡調査(第2報)情緒的支援ネットワーク発症3年までの推移(脳卒中・リハビリテーションシステム,連携リハビリテーション,ポスター,一般演題,実学としてのリハビリテーションの継承と発展,第44回日本リハビリテーション医学会学術集会)
- 3-5-3 慢性脳血管障害者の総合的追跡調査 : SIAS麻痺側上肢機能の発病6ヶ月から3年の推移(脳卒中・上肢評価,口演,一般演題,リハビリテーション医学の進歩と実践,第43回日本リハビリテーション医学会学術集会)
- 退院に伴う不安軽減と退院後のQOL向上を目的とした集団活動についての臨床心理の役割
- 回復期リハビリテーション病棟における脳卒中後うつ状態の予備的研究
- オランザピン口腔内崩壊錠でコンプライアンスが向上し、就職ができた統合失調症の一例
- 養護学校教員の児童への関わりの自信度からみた医療・教育連携の潜在的ニーズ
- 精神科デイケアの園芸療法による主観的ウェルビーイングと家族との交流の変化--農学との連携による心の活力ネットワークの広がり
- 介護予防の推進ボランティア活動が健康関連QOLに及ぼす影響 : 地域社会への貢献意識に着目して
- 慢性脳血管障害者の心身機能追跡調査 : (第3報)発病3年時における介護保険利用者と非利用者の心身機能
- 集団による機能訓練の評価;健康関連QOLと情緒支援ネットワーク
- リハビリテーション看護学実習における学生の学び : 学生の実習記録から
- 273 結婚・出産・離婚からうつ病を経験した後、人格的成長を遂げた一症例(Group44 産褥7,一般演題ポスター,第48回日本母性衛生学会総会)
- 在宅精神障害者の食生活習慣と生活の質
- 退院に伴う不安軽減と退院後のQOL向上を目的とした集団活動について : 介入効果の一考察
- ベテラン看護管理職者の看護実践に関する教育心理学的視点からの分析
- フラワーアレンジメントによる認知リハビリテーションの効果
- 精神障害者に対する園芸療法プログラムの開発と実践
- 脳血管障害者における職業復帰者と未復帰者の心身機能の特徴
- 精神科デイケアにおける薬物療法の副作用改善について : 行動観察法の意義と行動分析学的検討を中心に
- 飲水行動の異常を呈した症例に関する報告 : 精神科デイケアにおける介入と変化
- 「脳卒中後うつ」へのアプローチ集団活動(四季の会)を通して
- 脳卒中後うつ (Post Stroke Depression) に関する臨床精神医学的検討
- 救急隊員の災害ストレス症状と対処行動との関係についての実態調査
- 脳卒中後うつ病とは (ナーシング・フロンティア 脳卒中後うつ病の診療とケア)
- 作業療法士の立場から (特集 リハビリテーション関係者が知っておくべき精神科疾患・精神医学) -- (各職種における精神科疾患を合併している患者への対応)
- 地域で暮らす統合失調症患者に対する精神科訪問看護の役割--精神科訪問看護利用者の特性と再入院との関連要因
- 統合失調症における認知機能障害とリハビリテーション
- [3]茨城県の精神障害者の地域支援を考える(いばらき「心の活力」推進ネットワークの構築)
- [3]茨城県の精神障害者の地域支援を考える(いばらき「心の活力」推進ネットワークの構築)
- 脳卒中後うつ病の認知機能への影響に関する精神医学的研究
- [7]脳卒中のうつ状態の回復過程の評価(核医学のリハビリテーション医療への利用に関する研究)
- 脳卒中後うつ(Post Stroke Depression)のDSM-4による下位分類の試み:評者間信頼性の検討
- 精神科医の立場から--精神障害の場合を考える (特集 障害は"受容"できるか?)
- 脳卒中患者の発症3年後における復職状況と心理状態
- 大学生のメンタルヘルス支援についての一考察--中国の大学への海外派遣研修から
- 精神科医の役割 (小児のリハビリテーション) -- (リハビリテーションにおける各スタッフの役割)
- 地域で暮らす統合失調症患者に対する精神科訪問看護の役割 : 精神科訪問看護利用者の特性と再入院との関連要因
- 幻覚妄想かるたを使ったピアサポーター養成に向けた取り組み
- 迷走神経刺激(VNS) (特集 うつ病に対する新しい身体療法)
- チーム全体の組織力向上を目指したユニットミーティングの活用案:2Aユニットにおける取り組み
- 心理的アプローチを用いた看護師へのレジリエンス研究
- 高次脳機能障害者の就労に関する心理的要因の分析
- 茨城県の精神障害者の地域生活支援とアウトリーチ型医療に関する研究
- 茨城県内の消防本部の救急活動からみた自殺企図の実態調査
- 茨城県の精神障害者の地域生活支援とアウトリーチ型医療に関する研究