デイケア長期利用者における長期利用の背景とその対応について
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概要
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精神科デイケアの長期利用者の実際の参加状況と意識から、長期利用に対する背景を明らかにし、今後への対応を検討した。対象は、単科精神病院付設デイケア通所中の長期利用者6人(男4人、女2人)である。方法は、個別面接を行いその内容を逐語録にし、関係するコメントを抜き出し、カルテなどから得た基本情報やエピソードとあわせて検討した。その結果、長期利用者は、デイケアを「仕事」「健康管理」「余暇活動」「生活維持のための援助」のために利用していることが明らかとなった。今後、医療専門職がもっているリハビリテーションのノウハウを、地域の社会資源のスタッフに伝えること、ネットワークを築<ことによって情報・人的・プログラム基盤を整え、社会資源の能力を高めることが必要である。また社会資源の充実には経済的基盤も不可欠である。このような結果として、地域の社会資源のイメージが改善すれば、デイケアの長期利用者の一部が地域社会資源を利用できる可能性があることが示唆された。
- 神戸大学の論文
著者
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四本 かやの
神戸大学 医学部保健学科
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四本 かやの
神戸大学大学院保健学研究科
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四本 かやの
神戸大学医学部保健学科
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四本 かやの
Faculty Of Health Sciences Kobe University School Of Medicine
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