学習者のニーズに対応する日本語教育プログラムの実践報告 (その1) : 自発的な発話を促す会話集開発を中心に
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
九州女子大学別科日本語研修課程における現在のコンセプトは、大学入学後に役立つ日本語を教授するということである。そのためには、文法的知識はもちろん、実際的コミュニケーション能力の向上を目指す必要がある。しかし、現在の授業プログラムが完全にこの目的に合致しているとは言い難い。このため、本学別科では目下プログラムの改良が進行しつつある。本稿は、この改善のための基礎研究およびその成果の一部を報告するものである。まず、基礎研究として2種のアンケートを実施した。(1) 他大学別科に対して教育プログラムを問うものと、(2) 本学別科の受講生に対するフィードバック・アンケートの2種である。(1) の結果、他大学別科でも、授業内容に関し、本学別科と同様の問題を抱えていることがわかった。また、(2) の結果、受講生の間では、会話能力養成へのニーズが非常に高いことが確認された。しかし、現状の市販テキストでは、受講生の実情に合わせた会話教育が十全には出来ないという問題がある。そこで、本学別科では、独自の会話集作成に着手した。本稿では、その一端を提示して、解説する。ただ、このプログラム改良はまだ端緒に着いたばかりであり、今後研究すべき課題は多い。
- 九州女子大学・九州女子短期大学の論文
著者
-
岡田 美穂
九州女子大学別科日本語研修課程
-
田村 知子
九州女子大学別科日本語研修課程
-
山下 高之
九州女子大学文学部人間文化学科
-
大島 まな
九州女子短期大学初等教育科
-
木舩 都
九州女子大学別科日本語研修課程
-
玉置 悦子
九州女子大学別科日本語研修課程
-
谷之口 博美
九州女子大学別科日本語研修課程
-
山口 安由比
九州女子大学別科日本語研修課程
-
岡田 美穂
九州女子大学
関連論文
- ヴェネツィア大学から別科日本語研修課程への短期研修受け入れについて : 2003年度と2004年度を終えての報告と考察
- 学習者のニーズに対応する日本語教育プログラムの実践報告 (その1) : 自発的な発話を促す会話集開発を中心に
- 市民ボランティア・チューターの活動プログラムと学習成果に関する研究 : 留学生の日本語・日本文化理解援助の一方法として
- 大学における市民ボランティアの意識と特性に関する研究(その1) : 生涯学習時代の大学と地域の連携
- 自伝文学で子供時代を描くことについて (その1) : ルソーの『告白』第1巻を中心に
- フランス語クラスにおける「ティームティーチング」の試み
- カーン大学でのスタージュ(研修)に参加して : 新しいフランス語教育への一考察
- J.-J.ルソーのサン・ピエール島における夢想について : 『告白』と『夢想』の比較
- ルソ-の「第5の散歩」に関する一考察
- 留学生を活用する国際理解教育の内容・方法と教育効果に関する研究(その2) : 「総合的な学習の時間」で行う学習活動を中心に
- 留学生を活用する国際理解教育の内容・方法と教育効果に関する研究(その1) : 大学周辺地域の小学校との国際交流活動を中心に
- 成人学習者としての市民ボランティアに関する考察 : 学習者としての特性とチューター活動の意義
- 日本人学生は「ですます調」の「会見記録」を「である調」に直せるか
- 日本語学習者が「である調」の文体でレポートを書くための練習報告
- 日本語学習者のための話しことばを書きことばに直す練習の報告
- 中国語話者の聞いて分かる経済用語を増やすための練習を試みた結果報告