自伝文学で子供時代を描くことについて (その1) : ルソーの『告白』第1巻を中心に
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概要
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ルソーの『告白』は、フランス文学史上はじめて子供時代を描いたものだという定説がある。しかし、『告白』以前にも、例外的ではあるが、「子供時代の物語」(le recit d' enfance) が存在しないわけではない。本論では、それらの著作と『告白』との相違点を明らかにすることによって、以下の3点を、ルソーの独自性として提示する。すなわち、(1) ルソーは、『エミール』の著者であったため、「子供」というもののイメージを非常に明確な形で認識していたこと、(2) ひとりの人間を理解する上での出発点として、子供時代の重要性を指摘したこと、(3) 子供時代を描くよろこびを、非常に魅力ある文章で、読者に提示してみせたこと。結果として、上記の定説を新たな角度から再検討するものである。
- 九州女子大学・九州女子短期大学の論文
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