歯科衛生士の就業継続に関わる要因 : 新潟県における調査

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歯科衛生士免許取得者の就業比率は低い.その要因を知る目的で,新潟県在住の歯科衛生士および歯科診療所長を対象に,就業状況・就業意識に関する多面的質問項目から成る質問紙調査を実施した.調査結果のうち歯科衛生士の回答の一部を用い,回答者の基本的属性および就業継続に関連する要因について分析した.回答者は651名で,歯科衛生士業務従事者は68.0%,うち常雇用者は76.5%であり,若年層ほど就業率・常雇用比率が高い(p<.000).歯科診療所勤務者は,常勤の82.9%,非常勤の56.7%であり,年齢が高くなるほど診療所以外に勤務する比率が高い(p<.000).配偶者および子の有無により,就業状況,就業形態,就業場所が異なり,有配偶者,子のある者は,就業率・常雇用率が低く,歯科診療所以外の勤務者が多い(p<.000).就業継続意思には,職務満足度,歯科医師との協力体制,給与などの待遇,専門性に対する評価,雇用主との関係,就業先の管理スタイル,労働環境との関連が認められた.離職・転職には,多要因が複雑に絡み,究明は今後の検討課題である.しかし,歯科診療所において,就業継続が可能な体制が不充分であるために,就業継続意思があっても就業を断念せざるを得ない状況が考えられる.診療所における労働条件,労働環境,専門性の評価・支援体制を整備し,就業継続が容易な環境を整える必要性が示唆される.

歯科衛生士の就業継続に関わる要因 : 新潟県における調査

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