言語聴覚士の養成における諸問題
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概要
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言語臨床家は,教育,福祉,医療の各分野で臨床および研究に従事してきた。従来の医療職の考え方とは相容れない業務が多いため,資格制度問題は数十年の間紛糾してきた。言語聴覚士は医療分野で働く言語臨床家を対象とした新しい国家資格ではあるが,言語臨床の歴史は長い。養成体制の不備はあったが,臨床家の約9割が4年制大学および大学院卒業以上の経歴を有している。個々の言語臨床家の努力により,これまでは臨床面でも研究面でも国際的なレベルを保持してきた。現在は,4年制大学,大学院,3年制・4年制の専修学校,学部卒者あるいは他の医療職従事者に対する2年制課程等,様々な形態の養成校が存在する。言語聴覚障害は多岐にわたり,発生機序,評価方法,治療方法は,障害の種類や症例により異なる。言語聴覚士は,検査,評価,診断,治療,相談を自身の判断に基づいて行う。検査方法や治療方法を自ら考え,研究する。背景となる学問分野は言語病理学を核とし,多様な専門基礎分野を持つ学際的なものである。法は養成の最低ラインを示しているに過ぎず,教育内容や教育方法に関する課題は多い。臨床施設,研究施設の付設,カリキュラムの充実が求められる。言語聴覚障害児/者の福祉のために,日本語の言語病理学の確立・発展と高いレベルの言語聴覚士の教育に尽力することが,養成校に課せられている。
著者
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