四國地方の蛇紋岩地苔類
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概要
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1. 四国地方の低地にみられる蛇紋岩地は乾燥して, アカマツを主とする疎林が多く, 苔類植生にはみるべきものがない。 2. 東赤石山および白髪山の高地に発達する蛇紋岩地ではヒノキ, ヒメコマツなどを主とする針葉樹林が土地的極相林として成立し, ここにいちじるしい苔類植生がみられる。 3. 東赤石山と白髪山には北日本の蛇紋岩地域を特徴づける苔類として考えられた各種がみ出されるが, 量的には少ない。 4. いちじるしい不連続分布をする種類としてチチブイチョウウロコゴケ (Acrobolbus ciliatus), チャボツボミゴケ (Jungermannia pumila), エゾムチゴケ (Bazzania trilobata), ヤマムチゴケ (B.pearsonii) がみられ, 四国では東赤石と白髪山だけに知られている。 5. 四国の蛇紋岩地苔類ではミゾゴケ科, クラマゴケモドキ科ならびにゼニゴケ目の種類が欠けるか, いちじるしく貧弱であることが特徴となる。
- 国立科学博物館の論文
- 1976-10-29
著者
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