栄養管理の最前線 : 腸管免疫と栄養補給法

概要

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治療を行う上において、栄養管理は全ての治療の基礎であり、栄養状態の良否が患者の予後を決定すると言っても過言ではない。臨床現場では、栄養状態の改善を最大限優先させ基本の治療戦略としている。そして、先ず行われるべきは、栄養療法適応のための栄養評価である。栄養療法が必要であると判断されると栄養補給法の選択がなされるが、ここで重要なのは単にエネルギー・栄養素の補給だけではなく、栄養補給法が生体の機能保持に重要な役割を担っているという点である。腸を用いない栄養補給法は生体機能を著しく損なう。すなわち、腸管は免疫臓器として非常に重要である。腸管の免疫組織を腸管関連リンパ組織といい、腸管には全リンパ球の60〜70%が存在し生体防御能を大きく担っている。そしてこの腸管免疫系が正常に機能するためには適切な腸内フローラが必須である。近年栄養管理を行う上において、腸管免疫を正常に機能させ生体の免疫能を高める手段として、プロバイオティクスや免疫増強栄養素が注目されている。一方、腸管を使用することの重要性が示されたことにより、術後早期より経腸栄養が行われるようになった。手術時に空腸瘻を設置しておき術後24〜36時間以内に経腸栄養が開始されることも珍しくない。疾病からの早期回復に栄養管理の重要性が再確認され、最近では多くの医療機関で栄養サポートチームが設立されている。
東海大学医療技術短期大学の論文
2004-07-30

栄養管理の最前線 : 腸管免疫と栄養補給法

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