高齢透析患者の栄養状態とADL

概要

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透析治療を支える医療技術の進歩と、遺伝子組み換え技術による造血ホルモン(エリスロポエチン)の製薬化などの治療法の進歩により、透析患者の予後のみならずADL・QOLの向上をもたらした。しかし一方で、高齢透析患者は増加の一途をたどっており、ADLが著しく損なわれている患者の増加をもたらしている。そこで今回、高齢血液透析患者の栄養状態とADLとの関係について検討したところ、次のような結果を得た。70歳以上の維持血液透析患者15名を対象として、身体計測(% IBW、BMI、% TSF、% AMC)、血液検査(Ht、TP、Alb、TLC、T-Chol、HDL-C、chE、i-PTH)および骨塩量測定を行い、これらの検査値とADLとの関係を検討したところ、高齢血液透析患者は健康高齢者に比べタンパク質・エネルギー低栄養状態にあったものの、60%の患者は歩行・軽作業可能あるいは無症状で社会活動可能な状態にあった。そして、ADLの低下に関係していた栄養の指標はHt値のみであった。また、ADLの低下をもたらす主な因子は、骨・関節障害、心・血管障害および視力障害であった。
2001-04-30