集団検診における尿潜血検査陽性率
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概要
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集団検診時の尿潜血検査についてクリニテック100、クリニテック200^+およびミニオーションアナライザーMA-4240の3種類の卓上型尿分析器を使用し、器種により生じる測定値の差(器種間差)を中心に尿潜血反応陽性の割合(陽性率)を検討した。その結果、使用する尿分析器の種類によって測定値が異なり、得られる陽性率も異なることが確認された。特にクリニテック200^+およびミニオーションアナライザーMA-4240では、陽性判定基準を測定値(±)以上に設定した場合、ミニオーションアナライザーMA-4240の陽性率はクリニテック200^+の陽性率より18%、(1+)以上とした場合には15%も高くなった。また、3器種のうちミニオーションアナライザーMA-4240では、測定値(±)以上を陽性判定基準に設定した場合と(1+)以上の場合では陽性率に大きな差が認められ、その陽性率はそれぞれ67%および48%であった。これらの主因は尿試験紙のメーカー間差にあるものと指摘されている。現在、試験紙の検出感度および表示値に関して標準化作業が行われているが、現状においては、集団検診の検査成績を示す際には測定機器(試験紙名を含む)および設定した陽性判定基準を明確にする必要がある。
- 熊本保健科学大学の論文
- 2001-03-15
著者
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三村 孝俊
熊本保健科学大学保健科学部衛生技術学科
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嶋田 かをる
熊本保健科学大学保健科学部衛生技術学科
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古賀 和子
熊本保健科学大学
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北野 正文
熊本保健科学大学 保健科学部 看護学科:保健科学部 衛生技術学科
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