人工気管による気道再建の現況と将来

元データ 1986-12-25

概要

我々はNeville人工気管を臨床例に使用して合併症が発生することを知り, Marlex meshを人工気管の周囲に接着する改良を試みた。その結果, Neville人工気管は可撓性と伸縮性がなく, 周囲組織と親和性に欠けるため, 吻合部の離開と肉芽形成, それに続いて人工気管の逸脱が起こるメカニズムを明らかにした。この問題点を解決する目的で, 新たに桂型人工気管の開発を試みた。すなわち, 柔らかいシリコンゴムを材料として, モデル1はリブが平行のもの, モデル2はリブがスパイラルのもの, またモデル3はモデル2を改良して, さらに両端部を10mmと長くしてstentの機能を持たせたものである。実験的研究の結果, 吻合部の離開の点は未解決であるが, 人工気管の逸脱と吻合部の肉芽形成は防止することができた。我々はこれらの人工気管を12例の気管あるいは気管分岐部の再建を必要とする症例に用いたが, その遠隔成績は未だ満足すべきものではない。現在のところ, 人工気管は端々あるいは端側吻合が不可能な悪性腫瘍の症例と切迫窒息を防ぐ目的の症例に限定して使用すべきと考えている。

著者

宮本 好博 国立姫路病院呼吸器外科
池田 貞雄 京都桂病院呼吸器センター
塙 健 京都桂病院呼吸器センター
畠中 陸郎 京都桂病院呼吸器センター
松原 義人 京都桂病院呼吸器センター
船津 武志 京都桂病院呼吸器センター
桑原 正喜 関西電力病院呼吸器科
二宮 和子 京都桂病院呼吸器センター
小鯖 覚 京都桂病院呼吸器センター
八木 一之 京都桂病院呼吸器センター
二宮 和子 京都健康管理研究会中央診療所
二宮 和子 京都桂病院
松原 義人 京都桂病院
安田 雄司 滋賀医科大学第2外科
八木 一之 赤穂市民病院 呼吸器科
八木 一之 国立姫路病院呼吸器外科:(現)赤穂市民病院呼吸器
八木 一之 京都桂病院
小鯖 覚 京都桂病院
塙 健 京都桂病院
榎堀 徹 京都桂病院呼吸器センター
住友 伸一 京都桂病院呼吸器センター

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