救命に関わる職業に従事する成人男女の痩せ願望の有無と生活習慣
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概要
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救命にかかわる職業を持つ30歳から50歳の成人男女(男性180人、女性155人)を対象に、痩せ願望の有無を調査し、痩せ願望の有無と自己の体格の認識、生活習慣、自覚的健康状態について調査した。調査は自己記入質問紙によって行われた。対象者を痩せ願望の有無にわけて解析を行った。男性の50.5%、女性の57.0%が痩せ願望を有していた。痩せ願望の有無によって自己の体型評価に差があるかどうかを検討したところ、男性の痩せ願望群の55.6%、非痩せ願望群の67.9%と、女性の痩せ願望群の53.5%、非痩せ願望群の55.4%が「太い」と自己評価しており、男女とも痩せ願望の有無による差はなかった。この自己評価が正しいかどうかを痩せ願望の有無で比較すると、男性の痩せ願望群の70.4%、非痩せ願望群の66.0%と、女性の痩せ願望群の47.7%、非痩せ願望群の46.2%が自己の体型を正しく評価しており、その割合は両群共に男性で高かった。女性では痩せ願望の有無に関わらず、自己の体型を実際より「太い」と誤認している者の割合が多かった。男女とも痩せ願望者の60-80%が「健康」のためにダイエットを行っていると回答した。男女とも非痩せ願望群では50-70%の者がダイエットをしない理由として、「めんどう」、「過去のダイエットの失敗」をあげていた。男女ともに痩せ願望の有無にかかわらず50-70%の者が毎日朝食を摂取していた。定期的な運動では痩せ願望の有無に関わらず男性のほうが実行している者の割合が高かった。自覚的健康状態の調査では、全対象者の60-90%が「疲労感」「いらいら感」「頭重感」「肩こり」「腰痛」があると回答していた。以上の結果から、健康のために減量を行っているにもかかわらず、実際の生活習慣や自覚的健康状態はかならずしも「健康」な状態ではないことが明らかとなった。The desire for slenderness of 108 males and 155 females aged 30 through 50 years who work as emergency medical technician or nurse was investigated in a self-administered questionnaire survey. Male and female subjects were divided into two groups for each gender, those desiring weight loss and those not. The results revealed that 50.5% of males and 57.0% of females wanted to lose weight. Among these subjects, 55.6% of males and 53.5% of females self-estimated themselves of as being“overweight.”The comparable figures for the remaining subjects were 53.6% for males and 55.4% for females. Among those wanting to lose weight, 70.4% of males, 47.7% of females had correct conceptions of their weight, whereas 66.0% of males and 46.2% of females who did not want to lose weight did. The rate of misconception of weight among females was higher than in males. Almost all females who had misconceptions about their weight overestimated their physiques. About 60-80% of males and females desiring weight loss were dieting“to be healthier.”The reasons for desiring to lose weight were,“it's bothersome”or“former failure of dieting.”The number of subjects who exercised regularly was higher among males than females regardless of the attitude toward weight loss. About 60-90% of the subjects answered, “I tire easily”,“my head often feels heavy”,“I have a stiff shoulders”and“I have a backache.”The results of this study revealed that dieting to be healthier among subjects who work as emergency medical technicians or nurses is not necessarily useful for their health status. Thus a new approach for good health considering their profession is considered to be necessary.
- 札幌医科大学の論文
著者
-
山田 惠子
札幌医科大学
-
武田 秀勝
札幌医科大学保健医療学部理学療法学科
-
門間 正子
札幌医科大学保健医療学部
-
橋本 好弘
札幌市消防局総務部消防学校教務課消防科学研究所
-
林 裕子
札幌医科大学保健医療学部看護学科
-
井瀧 千恵子
弘前大学医学部保健学科
-
武田 秀勝
札幌医科大学 保健医療学部看護学科
-
武田 秀勝
札幌医科大学医療人育成センター 教養教育研究部門
-
武田 秀勝
北海道医療大学 歯 第1歯補綴
-
武田 秀勝
札幌医科大学保健医療学部基礎理学療法学講座
-
井瀧 千恵子
弘前大学大学院保健学研究科健康支援科学領域障害保健学分野
-
橋本 好弘
札幌市消防局
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