下顎位の水平的な差異と前腕屈曲筋力
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概要
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咬合機能が身体運動機能におよぼす影響を明らかにするための基礎データを得ること, 併せて, 身体運動時のクレンチングの発現様相を明らかにすることを目的として, 身体運動時にクレンチングの発現を自覚する12名を被験者として, 水平的な下顎位の変化がクレンチング強さと咬筋, 側頭筋の筋活動および前腕屈曲筋力と上腕二頭筋の筋活動におよぼす影響を検討した.なお, クレンチング強さの測定には, 下顎を水平的, かつ, 連続的に移動させた場合にも対応可能な感圧導電性シリコーンゴムシートを利用した咬合力測定用センサを新たに開発し, 使用した.得られた結果は以下の通りである.1)クレンチングの発現には個人差があり, クレンチングが強く出現する者(強クレンチング群:58.9〜85.3kgf)と弱く出現する者(弱クレンチング群:4.9〜13.2kgf)の2群に分類された.2)強クレンチング群におけるクレンチング強さは, タッピングポイントで最大値を示し, その標準偏差は最小値を示した.3)前腕屈曲筋力は強クレンチング群, 弱クレンチング群ともにタッピングポイントで最大値を示した.4)強クレンチング群におけるタッピングポイントでは, クレンチング強さと前腕屈曲筋力との間に有意な相関が認められた(r=0.69, p<0.01).一方, 弱クレンチング群では両者間に有意な相関は認められなかった(r=0.04, p>0.05).以上の結果から, 咬合が身体運動機能の発現に関与していることが強く示唆された.
- 日本顎口腔機能学会の論文
- 1994-12-21
著者
-
横山 雄一
北海道医療大学歯学部口腔機能修復・再建学系咬合再建補綴学分野
-
横山 雄一
北海道医療大学 歯 第1歯補綴
-
越野 寿
北海道医療大学歯学部口腔機能修復・再建学系咬合再建補綴学分野
-
平井 敏博
北海道医療大学歯学部口腔機能修復・再建学系咬合再建補綴学分野
-
石島 勉
北海道医療大学歯学部歯科補綴学第一講座
-
越野 寿
北海道医療大学
-
平井 敏博
北海道医療大学 口腔外科学 第一講座
-
武田 秀勝
札幌医科大学保健医療学部理学療法学科
-
石島 勉
北海道医療大学
-
武田 秀勝
札幌医科大学 保健医療学部看護学科
-
武田 秀勝
北海道医療大学 歯 第1歯補綴
-
武田 秀勝
札幌医科大学保健医療学部基礎理学療法学講座
-
市岡 典篤
北海道医療大学歯学部歯科補綴学第一
-
笠嶋 茂樹
北海道医療大学歯学部歯科補綴学第一
-
笠嶋 茂樹
北海道医療大学歯学部歯科補綴学第1講座
-
市岡 典篤
北海道医療大学歯学部
-
平井 敏博
北海道医療大学
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