若年女性の黄体期における快適自己ペース運動は血中エストラジオール濃度を上昇させ感情を改善する
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概要
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成年女性を対象に,無酸素性作業域値を越えているとみなされる高強度の持久性運動やレジスタンス運動負荷によって,血中女性ホルモン(エストロゲン;E2とプロゲステロン;P)濃度が高くなるという報告は多いが,低-中等度強度の有酸素性運動が血中E2とP濃度に及ぼす効果の検討は極めて少ない.月経周期が安定している20歳代(平均年齢21歳)の若年女性11名を対象にして,彼女たちの黄体期後期に,対照安静実験日と快適自己ペース走(CSPR)実験日を1日ずつ設定した.50分間のCSPRは,平均心拍予備率が61.3±6.7(SEM)%,平均RPEは12.0±0.5で中等度強度と考えられた.対照日には,CSPRの替わりに椅子座位安静で刺激の少ない写真集を見させた.50分間のCSPR(対照安静)前後に肘静脈から採血し,E2とP濃度,カテコールアミン濃度を測定した.E2濃度はCSPRによって67.1±9.4から84.7±9.7pg/mlまで有意に上昇したが,対照安静では変化しなかった.P濃度は両実験において変化が認められなかった.カテコールアミン3分画濃度はいずれもCSPRによって有意に高まり,対照では変化は認められなかった.CSPR(対照安静)時の感情の変化を,感情評価尺度Profile of Mood State(POMS)並びにMood Check List-Short Form 1(MCL-S.1)によって測定した.CSPRによって,POMSの抑うつ-落ち込み得点が低下し活気得点が上昇した.同様にMCL-S.1快感情得点もCSPRによって上昇した.50分間のCSPR(対照安静)によるPOMS活気得点並びにMCL-S.1快感情得点の変化量とE2濃度変化量の間にそれぞれ正の相関が認められた.E2は感情をポジティブにし,Pは逆むきの作用をもつとされるので,CSPRによるE2濃度上昇作用は心身にとって有用な効果を持つと考えられる.
- 2006-02-28
著者
-
武田 秀勝
札幌医科大学保健医療学部理学療法学科
-
森谷 〓
北海道大学大学院教育学研究科健康スポーツ科学
-
森谷 潔
天使大学大学院看護栄養学研究科
-
小田 史郎
浅井学園大学
-
小田 史郎
北海道大学大学院
-
井瀧 千恵子
北海道大学大学院教育学研究科
-
武田 秀勝
札幌医科大学 保健医療学部看護学科
-
武田 秀勝
札幌医科大学医療人育成センター 教養教育研究部門
-
武田 秀勝
北海道医療大学 歯 第1歯補綴
-
武田 秀勝
札幌医科大学保健医療学部基礎理学療法学講座
-
森谷 きよし
札幌市消防局
-
井瀧 千恵子
北海道大学大学院教育学研究科:弘前大学医学部保健学科
-
森谷 〓
北海道大学大学院教育学研究科
-
小田 史郎
北大 大学院教育学研究科
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