フッ化物配合二剤型歯磨剤のin vitroでのFluoride Uptakeおよびエナメル質の再石灰化に及ぼす影響

概要

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エナメル質初期う蝕は表層下脱灰病変であり,フッ化物(Fluoride:F)の応用などで健金歯への回復もありうる.本研究の目的は,一方にフッ化ナトリウム(NaF) ,他方にモノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)およびCa^<2+>を配合した二剤型歯磨剤からの歯質へのF untakeと再石灰化に及ぼす影響をin vitroで調べることである.MFP歯磨剤(950ppmF),NaF/MFP・Ca^<2+>配合の二剤型歯磨剤(950ppmF)の3種の試験歯磨剤を調製して検討した.ハイドロキシアパタイト板への試験歯磨剤スラリー処理によるF untake 量は,二剤型歯磨剤群:0.26±0.05μg/cm^2,NaF歯磨剤群:0.16±0.03μg/ cm^2,MFP歯磨剤群:0.11±0.03μg/ cm^2 (Mean±SD)を示した.表層下脱灰エナメル質に対して歯磨剤スラリー処理と再石灰化溶液(pH 6.0)浸潰を14日間行った場合のミネラル喪失量は,二剤型歯磨剤群:440±148vol%・μm, NaF歯磨剤群:1,087±184vol%・μm,MFP歯磨剤群:1,403±312vol%・μm,ベースライン群:2,172±418 vol%・μm (Mean±SD)を示した.F untake および再石灰化効果の両者において,二剤型歯磨剤群はNaF歯磨剤群やMFP歯磨剤群に比較して有意に高かった(p<0.05).
有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
2004-01-30