日本人正常咬合者の三次元的平均顔 : 作成方法および再現性の検証
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概要
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本研究の目的は, 矯正歯科治療における顔面形態の指標を得るために, 男女正常咬合者の三次元的平均顔を作成するとともに, その作成方法の再現性を検証することである.選出された男女各26名の正常咬合者の被験者に対して, 三次元形状計測装置を用いて顔面形態を計測した.そして, 得られた三次元データをもとにして, ワイヤーフレームテンプレートモデルを用いたモーフィング技術により, 男女正常咬合者の三次元的平均顔を作成した.さらに, 被験者のなかから無作為に選出された10名をもとに作成した2つの平均顔を用いて, 再現性の検証を行った.再現性の検証は, 2つの平均顔を内眼角点の中点で重ね合わせ, 各部位における差の大きさを色で表示したカラーマップにより視覚的に示すとともに, 各部位における差の大きさの平均値と標準偏差を算出することにより数値として示した.その結果, 本法により作成された三次元的平均顔は, 良好な鮮明度を示し, カラーマップにより確認された誤差は, 顔面の大部分において1mm以内に収まり, さらに, 各部位における差の大きさの平均値±標準偏差は, 0.89mm±0.53mmとなった.以上のことから, 本研究で作成された平均顔は, 正常咬合者の顔面の平均形態を把握する際に正確な三次元情報を提供し, 歯科矯正治療における顔面形態の指標となりうる可能性が示唆された.
- 日本矯正歯科学会の論文
- 2005-02-25
著者
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宮下 渉
日本歯科大学附属病院
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中原 リザ子
日本歯科大学歯学部歯科矯正学講座
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中原 リザ子
日本歯科大学生命歯学部歯科矯正学講座
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中原 リザ子
日本歯科大学歯学部矯正学講座
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宮下 渉
日本歯科大学歯学部附属病院小児・矯正歯科
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