良好な側貌を有する日本人正常咬合者の顔面形態の三次元的評価
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概要
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本研究の目的は,良好な側貌を有する正常咬合者の三次元的平均顔を作成するとともに,側貌優良者の有する特徴を三次元的に評価し,顔面形態の三次元的指標を構築することである.3,427名の加被験者から選出された男性50名,女性52名の正常咬合者について三次元形状測定装置を用いて顔面計測した.得られた三次元データをもとに,側貌優良群と側貌非優良群とを判定し,両群の三次元的平均顔を男女において作成した.作成した平均顔は,三次元画像の大きさを一定にした後,重ね合わせを行った.その後,両群の形態差をカラーマップ表示し,視覚的に示した.その結果,側貌優良群と側貌非優良群の平均顔において男女ともに認められる形態差は,上下口唇の後退傾向とオトガイ部の突出傾向であった.その中でも男性側貌優良群では,上下口唇の後退傾向が広範囲におよび,下唇赤唇部の後退は顕著であった.一方,女性側貌優良群では,上唇赤唇部の後退が顕著であった.以上のことから,本研究で作成された良好な側貌を有する正常咬合者の三次元的平均顔は,側貌優良者の有する特徴を三次元的に評価でき,今後の矯正歯科治療における診断や治療計画の立案の際に,顔面形態の三次元的指標を与えることができると考えられた.
- 2009-10-25
著者
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