昭和大学歯科病院矯正科に来院した顎変形症患者の臨床統計的調査
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概要
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1977年の開設から2002年の間に昭和大学歯科病院矯正科に来院し顎変形症と診断され,外科的矯正治療が必要とされた患者を対象とし,初診時(診断用資料採得時)に得られた臨床データに基づき経時的変化を含めた統計的調査を行い,以下の結果を得た.1.当科来院患者数は開設の1977年から健保導入直後の1992年まで次第に増加し,その年をピーク(78名)に減少に転じた.2.初診時の平均年齢は男女とも21歳台で,いずれも開設時より経時的に高齢化していた.一方,手術時の平均年齢は男性では経時的な変化は少なく23〜25歳台であったが,女性では19〜25歳台まで経時的に高くなっていた.3.初診時の不正咬合は男女とも下顎前突が最も多く,次いで下顎非対称と下顎前突+開咬がほぼ同じ割合を示した.ただし,経時的には男女とも下顎前突や下顎前突+開咬が減少傾向で,逆に下顎非対称や上顎前突が増加傾向であった.4.男女を合わせた患者の居住地域は東京都が最も多く全体の約6割を占め,次いで神奈川県が約3割を占めたが,東京都が経時的に減少しているのに対して,神奈川県は増加した都内の患者については近隣2区(大田,品川)は経時的に減少し,他区や都下が増加していた.5.紹介元医療施設は男性では一般歯科医,本学口腔外科,それ以外に3等分されたが,女性では口腔外科からの紹介は少なかった.男女とも全患者に占める紹介患者の割合(紹介率)は4割強であったが,いずれも経時的にわずかに増加した.6.顎関節症を併発する割合は男性,女性でそれぞれ17.1,14.2%であったが,いずれも経時的に増加しており,下顎前突よりも下顎非対称や上顎前突で高い傾向が示された.(Orthod Waves-Jpn Ed 63(1):49〜59,2004)
- 日本矯正歯科学会の論文
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