感圧型咬合紙による各種不正咬合患者の矯正治療前後の咬合接触面積と咬合力の横断的比較分析
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概要
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本研究では感圧型咬合紙のデンタルプレスケール(プレスケール)を用い, 各種不正咬合患者の咬合が矯正治療によりどの程度改善されていくのかを横断的資料によって比較検討した.対象は昭和大学歯科病院矯正科に通院中で, 以下の1-5)を満たすものをI, II, III級(Cl. I, II, III)さらに外科的III級(S-Cl. III)に分類した.1)顎口腔系に臨床的な機能異常がなく, 2)顔面の極端な非対称を呈さず, 3)唇裂, 口蓋裂がなく, 4)上下顎臼歯部に欠損や著しい歯冠崩壊がなく, 5)第二大臼歯がすべて萌出, 咬合しているもの.以上の対象者はすべてマルチブラケット装置による治療予定か, 器械保定中であり, プレスケール採得の時期により, 未治療群と保定群に分類した.その結果各不正咬合を合計した男子全体において, 保定群の咬合接触面積(OcAr)と咬合力(OcFr)は未治療群のそれよりも有意に増加したが, 女子においては両群の差はわずかで, 有意差もなかった.不正咬合全体を抜歯症例と非抜歯症例に分類したが, 男女とも両者のOcArやOcFrに有意差はみられなかった.上記4不正咬合間の比較を男女別に未治療群, 保定群で行ったところ, 未治療群男女S-Cl. IIIのOcArやOcFrは他の不正咬合者よりも低い傾向があったが, 保定群ではこの傾向はなく, 特に男子では保定群S-Cl. IIIのOcArとOcFrが未治療群よりも有意に大きかった.また, 女子未治療群を除く3群において, 4型の中ではCl. IのOcArやOcFrが他の型よりも大きい傾向があり, さらにCl. I保定群のOcFrは男女とも未治療群よりも有意に大きかった.以上より, 矯正治療により咬合力は増加する傾向が示され, 特に男子のS-Cl. IIIと男女のCl. Iでその傾向が明確となった.
- 日本矯正歯科学会の論文
著者
-
柴崎 好伸
昭和大学歯学部歯科矯正学教室
-
倉林 仁美
昭和大学口蓋裂診療班矯正科
-
斎藤 茂
昭和大学歯学部歯科矯正学教室
-
田中 憲男
昭和大学歯学部歯科矯正学教室
-
倉林 仁美
昭和大学歯学部歯科矯正学教室
-
柴嵜 好伸
昭和大学 歯 歯科矯正
-
柴崎 好伸
昭和大学 歯学部 歯科矯正学 教室
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