1. フッ化物配合歯磨剤の使用状況 : 福岡市内の小児と成人を対象とした質問紙法再調査
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概要
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福岡市内の城南,早良,西の3保健所における1歳6ヵ月児(以下1.5歳児)及び,3歳児健康診査の受診者,同市内のA 幼稚園 B 幼稚園,C 保育園の3,4歳児,1小学校の1〜6学年の生徒,1中学校の1学年の生徒とその保護者を対象にフッ化物配合歯磨剤の使用状況等の調査を行い,同じ内容で行った1992年の調査結果との間で比較検討を行った。今回の調査結果(2000年)では,歯磨き状況は,1.5歳児では約3/4が,その他の群ではほとんどが1日1回以上歯を磨いていた。フッ化物配合歯磨剤使用状況は,1.5歳児ではほとんど使用しておらず,3歳児,園児の使用割合も5〜6割と低かった。しかし,小・中学校,保護者では8割以上と高かった。前回調査(1992年)との比較結果では,比較対象3群全てにおいて歯磨き実施状況は改善していた。フッ化物配合歯磨剤の使用状況は1.5歳児ではほとんど変化していなかったが,A 幼稚園,保護者では有意に増加していた(それぞれp<0.01,p<0.001)。これはフッ化物配合歯磨剤のシェアが増加したのが要因であると考えられた。歯磨剤の使用量,洗口回数は,年齢が増加するにつれて増加する傾向が認められた。今回調査の不使用理由から,フッ化物配合歯磨剤の使用に関する安全性解説が十分に行き届いていない状況がうかがわれた。結論として,地域住民への安心感のある情報提供のために,歯科医師会,歯科衛生士会,保健行政,大学関係者などで歯磨剤量・洗口回数を含めたフッ化物配合歯磨剤の使用に関する統一した指導マニュアルの作成など進める時期にきていると考えられる。
- 福岡歯科大学学会の論文
- 2001-12-30
著者
-
筒井 昭仁
福岡歯科大学口腔保健学講座
-
筒井 昭仁
福岡歯科大学口腔保健学講座口腔健康科学分野
-
晴佐久 悟
福田大・口腔保健学講座 口腔健康科学分野
-
千葉 研介
福田大・口腔保健学講座 口腔健康科学分野
-
筒井 昭仁
福田大・口腔保健学講座 口腔健康科学分野
-
晴佐久 悟
神奈川歯科大学 健康科学講座口腔保健学分野
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