3. 長期にわたる成人歯周疾患予防管理の評価

概要

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歯周病は40代から悪化し50代以降大きな歯の喪失原因となっている。NPO 法人 Well-Being(旧福岡予防歯科研究会)では1989年より歯周病予防をシステム化して行ってきた。ここでの8年間にわたる歯周病の予防および症状改善の結果を報告する。対象:歯周病予防を主訴に来院し,初診時30代でリコール開始より8年以上が経過した53名。方法:歯周病予防システムの中で行っている診査は,初診のみ行う問診・パノラマ撮影,初診を含め毎回行う口腔内診査(現在歯数,DMFS,動揺度,CPI,BOP,PCR)である。この内今回検討したのは歯の状態,CPI,BOPの変化である。集計は歯の状態をDMFT指数,CPIを歯牙単位,BOPをセクスタント単位,口腔全体で行った。結果:初診から8年後の変化を示す。1)歯の状態:DMFT,現在歯数ともに有意な変化は認められなかった。8年間で全53人に5本の喪失歯が認められたが,原因は歯牙破折,咬合性外傷によるものであった。2)CPIの変化:8年後は初診時に比べCPI=0の歯が有意に増加しておりCPI=1,2,3を示す歯は有意に減少していた。3)BOPの変化:初診時には1人平均BOPは約50%であったが3年後まで減少を続け,約20%まで減少した。その後は25%前後で落ちついている。考察:一般に加齢と共に歯周病有病者率と喪失歯数は増加傾向にあり,その抑制には症状が出ない内からの歯科医療者による介入が必要であると考える。今回の検討では歯周病予防管理を受けている者は歯周組織の状態が安定して良好に維持されており,歯周病が直接の原因と考えられる喪失歯はないという結果が出た。よって歯科医院での定期的歯周病予防管理は歯周病の予防と症状改善に有効であると言える。従来行われてきた歯周治療後のメンテナンスに加え予防的メンテナンスが広く行われるようになることが望ましい。
2001-12-30

3. 長期にわたる成人歯周疾患予防管理の評価

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