痙性に対する理学療法 : 物理療法(温熱・寒冷療法の有効性) (脳血管障害 : 痙性に対する理学療法)

概要

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脳血管障害片麻痺患者13名を対象に, 患側下腿三頭筋に対する温熱および寒冷の痙性に対する抑制効果について検討した。症例は, 第14回学会で報告した方法を用い, 椅坐位での足背屈と足クローヌスの出現度合によりType1からType4に分類した。実験方法は, 訓練評価機器KIN/COM(メディックス社製RG-2000)のpassive modeを用いて, 温熱・寒冷施行前後および除去30分後の下腿三頭筋の抗力と, 同部の同一点における皮膚温の測定を行った。また, 除去直後より除去30分後の測定の間に症例は歩行訓練を行った。抗力の測定は足背屈0°~-5°より底屈方向に30°の範囲で, 他動的伸張の角速度は100°/secを用いて連続5回行った。この抗力については連続5回の伸張を行うと, 徐々に抗力の加重が見られる症例が多く, そのために各伸張の1回目と5回目の最大値をそれぞれ比較した。温熱にはホットパックを用いて20分間施行した。その結果, 抗力についてはすべてのTypeに共通して除去30分後にも施行前より低い値を示す傾向があった。しかし, 今回は抗力の測定のみであったため, 臨床的により多面的にとらえてその効果を検討する必要がある。寒冷にはアイスパックを(-12℃)用いて30分間施行した。その結果, 抗力についてはType1の症例に除去30分後にも効果の持続が見られた。また, 皮膚温では施行前と除去30分後を比較すると, 温熱では高い値を示し, 寒冷では低い値を示しており, 効果の持続が伺われた。
1988-03-10

痙性に対する理学療法 : 物理療法(温熱・寒冷療法の有効性) (脳血管障害 : 痙性に対する理学療法)

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