ヒト単球による骨塩破壊機序に関する研究

概要

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我々はすでにヒト単球が単独で骨塩の主成分であるHydroxyapatite (HA) を吸収することを, ヒオ精製単球と^<45>Ca 合成 HA 粒子を用いた in vitro の実験系で明らかにし, さらにこの破壊活性がヒト末梢白血球培養上清の添加によって有意に促進されることを報告した。ここでは, さらに単球による骨塩破壊の作用機序についての検討を行った。まず, 単球と HA 粒子の強い付着像を光学およぴ電子顕微鏡で観察するとともに, 歯周病原性細菌の一つである Bacteroides gingival 381 株の凍結乾燥菌体・超音波破壊遠心上清, phytohemagglutinin-Pを未梢血白血球に添加・培養した上清は単球の細胞膜に作用し, 骨塩への付着能を亢進させる実態を cytochalasin-B を用いた実験で明らかにし, さらに単球からのクエン酸およぴ乳酸の分泌と単球の骨塩破壊について検討した結果, クエン酸分泌量と解離^<45>Caに相関性がみられ, 単球・HA 付着面での酸溶解を示唆した。
特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
1987-06-28