馬の慢性蹄葉炎罹患蹄の再生性葉状層における基底膜領域に見られた片側性構築異常(病理学)
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概要
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蹄の葉状層にある表皮葉と真皮葉の間には, 基底膜およびその付属物であるヘミデスモゾームや係留線維によって構成される基底膜領域が認められる.馬の蹄葉炎では, この基底膜領域の異常が本症の発生のみならず予後や再発とも深く関わっていると考えられるが, 蹄葉炎の治癒過程における基底膜領域の形成については知見が乏しい.そこで, 蹄葉炎を発症後2週間, 4週間および3ヵ月間経過した馬蹄の葉状層を病理学的, 電子顕微鏡学的および免疫組織化学的に観察することで, 慢性蹄葉炎における葉状層の基底膜の形成状態を評価した.組織学的には, 全ての症例の蹄壁と真皮の間に, 盛んな表皮細胞の増生により再生した葉状層が観察されたが, 葉状層深部の一次表皮葉の一側では発達が悪い二次表皮葉が局所的に認められた.免疫組織化学的には, ほぼ全ての基底膜領域はIV型コラーゲン, VIIコラーゲンおよびラミニン5の3つの抗体に陽性を示したが, 発達が悪い二次表皮葉に隣接する基底膜領域はVII型コラーゲンおよびラミニン5に対しては陰性だった.電子顕微鏡による観察では, 発達が悪い二次表皮葉に隣接する基底膜領域に緻密層と透明層が認められたが, 係留線維およびヘミデスモゾームはともに存在しないか, あるいは正常より少なかった.本研究の結果, 慢性蹄葉炎罹患蹄の再生性葉状層の一部では, 長期の間, とくに表皮葉の一側に基底膜領域の構築異常が認められることが解った.この変化は, 蹄葉炎の易再発性と関連がある可能性がある.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2005-07-25
著者
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桑野 睦敏
日本中央競馬会競走馬総合研究所
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桑野 睦敏
JRA競走馬総合研究所
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片山 芳也
JRA競走馬総合研究所栃木支所
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新井 克彦
東京農工大硬蛋白研
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新井 克彦
東京農工大学硬蛋白質利用研究施設
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新井 克彦
東京農工大学 農
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桑野 睦敏
Jra競走馬総合研究所臨床医学研究室
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桑野 睦敏
日本中央競馬会競走馬総合研究所 臨床医学研究室
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桑野 睦敏
日高地区農業共済組合中部家畜診療所
-
桑野 睦敏
Jra総合研究所
-
片山 芳也
Japan Racing Assoc. Utsunomiya Jpn
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新井 克彦
東京農工大学硬蛋白質利用研究所
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新井 克彦
東京農工大学農学部附属 硬蛋白質利用研究施設
-
上野 孝範
JRA競走馬総合研究所
-
西山 敏夫
東京農工大学硬蛋白利用研究施設
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西山 敏夫
資生堂研究所
-
西山 敏夫
東京農工大・硬蛋白質研
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