ウシ,ヤギ,ブタおよびラット毛における免疫化学的類似性について
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概要
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われわれは,前報において,ウシ毛ケラチンのS-カルボキシメチル誘導体•低イオウ画分に対する単クローン抗体の生化学的,免疫絹織化学的特性について報告した.今回,ウシ,ヤギ,ブタおよびラット毛より,プロテアーゼ阻害剤存在下,塩酸グアニジンにより抽出し,透析後再構成された線維性蛋白質について,SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動と単クローン抗体(MAb 17)を用いたウェスタンブロッティングにより,その成分および免疫化学的反応性について解析した.その結果,検索した全ての動物種において,単クローン抗体(MAb 17)はその線維性蛋白質のうち,タイプIケラチンファミリーに属すると考えられる成分に陽性反応を示し,タイプIIケラチンファミリーには反応しなかった.このことから,毛由来タイプIケラチンファミリーには動物種に共通のエピトープの存在することが示唆された,一方,免疫組織化学的検索の結果,ヤギ皮膚組織においては,分化したトリコサイトと外根鞘細胞が陽性となり,前報で示したウシ皮膚と同様の局在パターンであった.ラットについても,免疫反応前に前処理を加えることにより,ウシ,ヤギと同様のパターンを示したが,ブタにおいては,外根鞘での陽性反応はinnermost cellに限局しておりウシ,ヤギ,ラットとは全く異なる染色パターンを示した.以上の所見より,ウシ,ヤギ,ラットでは全ての外根鞘細胞が毛ケラチンと共通のエピトープを含むサイトケラチンを発現しているのに対し,ブタでは,innefmost cell以外の外根鞘細胞は,単クローン抗体(MAb 17)の認識するものとは異なるエピトープを含むサイトケラチンを発現していることが示唆された.また,単クローン抗体(MAb 17)がトリコサイトと外根鞘細胞をともに認識することから,毛ケラチンと上皮性ケラチンが共通のエピトープを有する可能性が得られた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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新井 克彦
東京農工大学農学部硬蛋白研
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新井 克彦
東京農工大学 農
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上原 孝吉
東京農工大学農学部硬蛋白研
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上原 孝吉
東京農工大学農学部硬蚕白研究施設
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松永 あや子
東京農工大農・硬たん白質利用研施設
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上原 孝吉
東京農工大学農学部
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上原 孝吉
東京農工大学
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