一年生畑雑草の発生生態に関する研究 : I. オオイヌタデ,シロザ,ヒメイヌビエ種子の一次休眠覚醒に及ぼす温度条件の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1)3種の一年生畑雑草種子の一次休眠覚醒に有効な温度条件と所要期間を検討した。オオイヌタデは1〜5℃の湿潤条件2ヵ月で完全に覚醒し,10℃湿潤では不完全であった。乾燥状態でも緩慢ながら覚醒が進むが,25℃よリ5℃が速かなようであった。 2)シロザは10℃湿潤が最も効果的で,1ヵ月後に約80%発芽した。5℃湿潤および5℃土壌中も有効で,半年以上処理で10℃湿潤処理と等しい発芽率を得た。1℃湿潤は低すぎるようであり,乾燥貯蔵では半年間にわたりポC,25℃とも休眠から覚めなかった。3)ヒメイヌビエは10℃湿潤および25℃乾燥2カ月で十分覚醒し,1〜5℃湿潤2ヵ月でも著しく進み,20℃暗所では発芽しないが,変温明所では大部分発芽できる段階まで達した。5℃乾燥では全く覚醒しなかった。5℃地中種子は半年後に,1969年が65%1970牛が22〜38%死滅した。4)凍結処理(一11℃)は3種とも休眠覚醒効果を示さなかったが,種子の活性に対しても大きな影響はなかった。おわりにあたり,種々御協力を・戴いた北海道農試畑作部岡 技官,池田正昭技官に謝意を表します。
- 日本雑草学会の論文
- 1974-03-25
著者
関連論文
- 21. 東部網走地方における畑雑草の分布について
- 一年生畑雑草の発生生態に関する研究 : 6. 埋土種子の発芽に及ぼす光の影響
- 一年生畑雑草の発生生態に関する研究 : 5.発芽温度条件と季節的発生消長との関係
- 一年生畑雑草の発生生態に関する研究 : 4. 土壌中における活性種子の休眠性の季節的消長
- 一年生畑雑草の発生生態に関する研究 : 3. 攪拌および非攪拌土壌における発生と地中活性種子密度の変化
- 一年生畑雑草の発生生態に関する研究 : 2. オオイヌタデ,シロザ,ヒメイヌビエ種子の圃場における一次休眠覚醒時期並びに覚醒過程における死滅現象について
- 一年生畑雑草の発生生態に関する研究 : I. オオイヌタデ,シロザ,ヒメイヌビエ種子の一次休眠覚醒に及ぼす温度条件の影響
- 34. 農家圃場における畑作雑草防除体系の実態と雑草発生の関連性
- 11. オオイヌタデ、シロザ、ヒメイヌビエ種子の休眠覚醒温度と自然条件における覚醒時期
- 畑雑草種子の地中における死滅の様相について
- シロザ種子の発芽抑制物質に関する研究
- シロザ種子の休眠と発芽に関する研究
- 3. 畑雑草種子の地中における死滅の様相について
- 北海道における畑雑草種子の休眠覚醒におよぼす越冬条件の影響
- 33. 輪作草地の維持年限が跡地の雑草種子密度に及ぼす影響
- 24. 十勝地方における主要畑雑草の生態的研究 : 2. 発生時期と生育・ 結実・ 吸肥性との関係
- 23. 十勝地方における主要畑雑草の生態的研究 : 1. 発生消長について
- 22. 十勝地方における畑雑草の分布について
- 62 株間距離の変動が畑作物の収量に及ぼす影響 : 馬鈴しょ、てん菜(移植)
- えん麦稈のすき込み処理法とあと地の作物生産性 (第146回講演会)
- とうもろこし茎葉のすき込み処理法とあと地の作物生産性 (第146回講演会)
- てん菜の連作による生育障害の要因解析(昭和42年度談話会年次講演会講演要旨)
- スギナ(Equisetum arvense L.)地下部の繁殖器官の生態について
- 畑輪作における前後作組合わせ様式に関する研究 : IV. 作付順序と雑草発生の関係(談話会年次講演会講演要旨,昭和38年年次及月例講演会要旨集)