シロザ種子の休眠と発芽に関する研究
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概要
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(1)シロザの種子は,開花後15日前後の未熟状態では容易に発芽するが,成熟がすすむと光発芽種子の特徴が現われた。さらに完熟すると,光を与えても恒温下では強い休眠を示した。ただし,光の効果は変温によってかなり代替され,完熟種子でも明所変温条件では30%以上発芽した。(2)種皮による種子の吸水阻害はみられなかった。休眠種子の発芽は,明所における高濃度酸素により著しく促進されたが,暗所ではその効果が現われなかった。種子に対し硫酸処理,発芽孔部の切除処理をすると,明・暗所とも完全に発芽した。以上の結果から,シロザの種子は光発芽であるとともに,休眠の主因は種皮の酸素不透性にあると推察される。(3)低温処理によって休眠が打破され,光要求性は著しく低下した。また,gibberellinは500ppm以上で,kinetinが貯蔵種子の明所発芽にかぎり,それぞれわずかに覚醒効果が認められた。Gibberellinは光代替作用を1,000ppmで若干示した。さらに,KNO_3は前記の2物質に比べ効果が大きく,明所では10^<-2>M,暗所では10^>-2>〜10^>-1>Mが高い発芽率を示した。
- 日本雑草学会の論文
- 1970-11-25
著者
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