一年生畑雑草の発生生態に関する研究 : 5.発芽温度条件と季節的発生消長との関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
(1)一次休眠を破った種子の発芽温度条件を明らかにし,これを用いて,地温の季節的分布から雑草の季節的発生消長の機構を検討した。(2)暗所系列では,シロザは発芽に変温を要し,低温が5.Cで目較差が大きいほど発芽率が高かった。しかし,低温城が10oC以上では種種の変温条件下でもあまり発芽しなかった。ヒメイヌビエは,高温域が20℃以下では変温しても発芽せず,25oCでは低温域が5℃の場合に良く発芽した。30℃になると恒温でも相当発芽した。発芽開始直前に5分問自然光照射を行った系列では,各雑草とも発芽率が著しく高ま1),温度条件が不適なほどその効果が顕著であった。(3)暗所での温度条件に対する発芽曲線を描き,この図から時期別の目最高・最低地温に対応する発芽率を読みとり,実際の発生と比較した。シロザとヒメイヌビエの5〜9月の発生消長は地温の分布から説明できたが,シロザの10月およびオオイヌタデの6〜10月の発生は埋土種子の二次休眠が関与しており,地温のみで直接説明することはでき衣かった。おわりに,本稿の御校閲を戴いた北海道農試畑作部長高瀬昇博士並びに試験遂行に御協力戴いた岡啓技官,地目]正昭技官に謝意を表します。
- 日本雑草学会の論文
- 1976-09-25
著者
関連論文
- 21. 東部網走地方における畑雑草の分布について
- 一年生畑雑草の発生生態に関する研究 : 6. 埋土種子の発芽に及ぼす光の影響
- 一年生畑雑草の発生生態に関する研究 : 5.発芽温度条件と季節的発生消長との関係
- 一年生畑雑草の発生生態に関する研究 : 4. 土壌中における活性種子の休眠性の季節的消長
- 一年生畑雑草の発生生態に関する研究 : 3. 攪拌および非攪拌土壌における発生と地中活性種子密度の変化
- 一年生畑雑草の発生生態に関する研究 : 2. オオイヌタデ,シロザ,ヒメイヌビエ種子の圃場における一次休眠覚醒時期並びに覚醒過程における死滅現象について
- 一年生畑雑草の発生生態に関する研究 : I. オオイヌタデ,シロザ,ヒメイヌビエ種子の一次休眠覚醒に及ぼす温度条件の影響
- 34. 農家圃場における畑作雑草防除体系の実態と雑草発生の関連性
- 11. オオイヌタデ、シロザ、ヒメイヌビエ種子の休眠覚醒温度と自然条件における覚醒時期
- 畑雑草種子の地中における死滅の様相について
- シロザ種子の発芽抑制物質に関する研究
- シロザ種子の休眠と発芽に関する研究
- 3. 畑雑草種子の地中における死滅の様相について
- 北海道における畑雑草種子の休眠覚醒におよぼす越冬条件の影響
- 33. 輪作草地の維持年限が跡地の雑草種子密度に及ぼす影響
- 24. 十勝地方における主要畑雑草の生態的研究 : 2. 発生時期と生育・ 結実・ 吸肥性との関係
- 23. 十勝地方における主要畑雑草の生態的研究 : 1. 発生消長について
- 22. 十勝地方における畑雑草の分布について
- 62 株間距離の変動が畑作物の収量に及ぼす影響 : 馬鈴しょ、てん菜(移植)
- えん麦稈のすき込み処理法とあと地の作物生産性 (第146回講演会)
- とうもろこし茎葉のすき込み処理法とあと地の作物生産性 (第146回講演会)
- てん菜の連作による生育障害の要因解析(昭和42年度談話会年次講演会講演要旨)
- スギナ(Equisetum arvense L.)地下部の繁殖器官の生態について
- 畑輪作における前後作組合わせ様式に関する研究 : IV. 作付順序と雑草発生の関係(談話会年次講演会講演要旨,昭和38年年次及月例講演会要旨集)