ナプロアニリド1 kg粒剤の水中拡散と除草効果

概要

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除草剤散布の省力化のため製剤中の有効成分含量を高め, 10a当たりの処理量を3 kgから1 kgに減じた1 kg粒剤の性質についてナプロアニリドを例にして検討した。ナプロアニリドは, 水溶解度が低く1 kg粒剤化することにより, 有効成分の拡散不足から除草効果が低下することが懸念される。そのため, ナプロアニリドの水中溶出量が多く, 従来の3 kg粒剤と同等の除草効果を示す高溶出性粒剤を作成する目的で浮遊性担体を配合した1 kg粒剤を試作した。この粒剤を水中に投入すると, 一部崩壊し投入後7-15分で浮上し水面で拡展した。また水温が高い方が浮上までに要する時間が短かった(Fig 3)。水中濃度を調べたところ, 処理後24時間までは従来の3 kg粒剤よりも高く(Fig. 4), 同一試験容器内の水深によって濃度が異なることはなかった(Fig. 5)。また1 kg粒剤は粒数が少なく, 散布密度が低い(Table 1) にもかかわらずウリカワに対する除草効果は3kg粒剤と同等以上であった(Fig. 6)。これは上記の様に粒剤を浮上させ初期の水中溶出を高めたためと考えられる。
日本雑草学会の論文
1997-11-25