水導電率及び水温がナプロアニリド1 kg粒剤の諸性質に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
除草剤ナプロアニリドの高溶出性粒剤として1 kg粒剤の試作をし, この粒剤が水中投入後7-15分で浮上して従来の3 kg粒剤と同等の除草効果があることを見出した。これらの現象の意義を解析するため, 浮上拡展性を抑制した条件下で本粒剤の性質を調べた。はじめにこれら1 kg粒剤の性質に及ぼす水導電率(EC)の影響を調べたところ水中に投入した粒剤はある一定の割合で浮上し, その割合はECに影響を受けた。ECが高まると浮上率は低下した(Fig. 1)。また3 kg粒剤は全く浮上しなかった。ナプロアニリドの水中溶出は1 kg粒剤の場合ECが高まると低下した(Fig. 2)。また基本的に水中溶出の低い3 kg粒剤はECの影響を僅かに受けた。1 kg粒剤の浮上率及び水中溶出は水温が低いと低下した(Fig. 3, 4)。また浮上率と水中溶出の間には高い正の相関関係が見られた(Fig. 5)。この結果より粒剤の浮上性はナプロアニリドの水中溶出に重要な役割を果たしていると考えられる。ウリカワに対する除草活性はECが高く, 水温が低い条件下で低下する傾向が認められた(Table 1)。このように,浮上性が妨げられる条件下で, ナプロアニリドの水中溶出が減少し, その結果除草効果が低下することから, 浮上拡展作用がナプロアニリド1 kg粒剤の性能発現に重要な役割を果たしていると考えられる。
- 日本雑草学会の論文
- 1997-11-25
著者
関連論文
- C204 ジフェニルピロリジノン系除草剤 (6) : 作用機構(その 3)
- A119 ジフェニルピロリジノン系除草剤 (5) : 作用機構(その 2)
- "Weed Science" 第47巻4〜6号の内容紹介
- 92 殺草性ジフェニルピロリジノン系化合物のカロチノイド生合成阻害(2)
- 殺草性ジフェニルピロリジノン系化合物のカロチノイド生合成阻害(2)
- 115 殺草性ジフェニルポロリジノン系化合物のカロチノイド生合成阻害
- 殺草性ジフェニルピロリジノン系化合物のカロチノイド生合成阻害
- ジフェニルピロリジノン系除草活性化合物 (4) : ジフェニルピロリジノン系化合物のphytoene desaturase阻害
- ジフェニルピロリジノン系除草剤 (3) - 作用機構 -
- "Weed Research"第47巻1〜3号の内容紹介
- ワタのイネ科および広葉雑草に対する4-ethyl-3-(3-fluorophenyl)-1-(3-trifluoromethylphenyl)pyrrolidin-2-one(MT-141)の除草効果
- 新規グリコールベンジルエーテル系化合物MT-147の水稲イネ科雑草防除剤としての特性
- 新規グリコールベンジルエーテル系除草剤 : 3,3a,5,9b-tetrahydro-2H-furo[3,2-c][2]benzopyran誘導体の除草活性
- P46 プロパニル抵抗性ノビエにおけるアリルアシルアミダーゼ活性(3-(3)除草剤抵抗性)(3. 除草剤(植物生理活性物質を含む))
- G305 ジノテフラン(スタークル^[○!R]/アルバリン^[○!R])粉剤のトゲシラホシカメムシに対する効果(毒物学・虫剤作用機構・抵抗性 防除法 害虫管理 IPM)
- G304 浸透移行性殺虫剤ジノテフラン粒剤(スタークル^[○!R]、アルバリン^[○!R])の果菜類における育苗期および生育期株元処理の効果(毒物学・虫剤作用機構・抵抗性 防除法 害虫管理 IPM)
- ナプロアニリド発泡性錠剤の水中拡散性およびNOPの生成
- ジフェニルピロリジノン系除草剤 (2) - 作用特性 -
- Chlornitrofen発泡性大型錠剤の水中拡散性と除草効果
- 湛水条件下での数種粒剤におけるナプロアニリドの減衰と除草効果
- 高溶出性粒剤からのナプロアニリドの拡散と除草効果
- ナプロアニリド1 kg粒剤の水中拡散と除草効果
- 水溶性フィルムに充填した投げ込み用ナプロアニリド水和剤の水中拡散性および除草効果
- アメリカツノクサネムとイネ幼植物の生育に及ぼす湛水とナプロアニリドの影響(雑草学会英文誌"Weed Biology and Management"第2巻2号掲載論文摘要(摘要))
- 19 各種イネ科植物におけるシステイン合成酵素活性及び本酵素に及ぼすセーフナーの影響
- ジフェニルピロリジノン系化合物の疎水度と水中拡散性
- 新施用法を想定したナプロアニリドの水中拡散性と除草効果
- 新施用法を想定したナプロアニリドの水中拡散性と除草効果
- 新施用法を想定したナプロアニリドの水中拡散性と除草効果
- 水導電率及び水温がナプロアニリド1 kg粒剤の諸性質に及ぼす影響