犬におけるエンドセリン-2前駆体タンパク質の全長cDNAのクローニングと臓器発現(毒性学)
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概要
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Endothelin-2(ET2)は21個のアミノ酸より構成される血管収縮活性を有する生理活性ペプチドであり,生体内ではET2前駆体タンパク質(PPET2)から生成される.本実験では,犬のPPET2 cDNAを5'および3'-RACE PCR法によりクローニングし,その全長1次構造を決定すると共にPPET2のアミノ酸配列を想定した.クローニングで得られたcDNAはpoly(A)配列を除き1,195bpであり,178アミノ酸残基から成る前駆体タンパク質をコードする537bpの翻訳領域を含んでいた.この前駆体タンパク質には,ET2領域に加え,endothelin familyの前駆体タンパク質に共通して認められるbig formおよびendothelin-like peptide領域が確認された.RT-PCR法により臓器におけるPPET2 mRNAの発現解析を行ったところ,検索した十二指腸,結腸,冒,肺,肝臓,子宮,卵巣,精巣および腎臓で発現が確認され,牌臓では確認されなかった.real-time PCR法によるPPET2 mRNAの定量系を確立し,この方法により各臓器におけるmRNAの発現量を測定したところ,腸管において発現量が多いことが明らかになった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2003-11-25
著者
-
打出 毅
北里大学獣医学部・毒性学教室
-
佐々木 卓士
北里大学獣医学部・毒性学教室
-
天間 恭介
北里大学獣医学部・毒性学教室
-
斉田 要
(独)産業技術総合研究所生物機能工学研究部門
-
藤森 祐紀
北里大学獣医畜産学部毒性学研究室
-
明樂 泰
Msd Research Lab.
-
藤森 祐紀
北里大学獣医畜産学部毒性学教室
-
打出 毅
北里大学毒性学講座
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