確定診断の得られた兎の子宮疾患の47例

概要

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開腹手術を行って確認した47症例の兎の子宮疾患について,疾病の種類,年齢,主訴,臨床検査所見,死亡率に関して検討した.子宮内膜過形成がもっとも多く(29.8%),次いで子宮腺癌(21.3%)であり,腫瘍性の病変を有するものは全体の46.8%であった.年齢は2歳2ヵ月齢から7歳6ヵ月齢で,4歳台がもっとも多く,次いで5歳台であった.もっとも多かった主訴は出血(62.2%)であり,ほとんどの場合排尿時に出血が認められた.次いで乳腺異常(12.8%)や腹囲膨満(10.6%)などが主訴として多くみられた.身体検査では乳腺嚢胞などの乳腺異常は全症例中の31.9%にみられた.出血のみられた32症例中15症例では,腹部触診によって異常所見が認められた.超音波検査を行った24症例中21例で異常所見が得られ,超音波検査が兎の子宮疾患の診断に有用であることが示唆された.10症例は術後3ヵ月以内に死亡したが,術後の転帰は病変の悪性度よりも,その個体の全身状態に左右され,食欲低下,衰弱,重度の貧血,脱水のみられた症例の死亡率は著しく高かった.
社団法人日本獣医学会の論文
2002-06-25