三尖弁逆流を有する犬における右室Tei indexを用いた右室機能評価(内科学)

概要

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循環器医学において右室(RV) Tei indexは,様々な心疾患における総合的な右室機能評価に有用であることが証明されている.本研究の目的は,健常犬においてRV Tei indexと心カテーテル法より求めた右心機能との関連を検討すること,および三尖弁逆流(TR)を有する様々な心疾患犬においてRV Tei indexの臨床的な有用性を評価することである.健常犬においてRV Tei indexとRV peak+dP/dt(r=-0.80)および-dP/dt(r=0.69)との間に有意な相関が認められた.非心疾患犬においてRV Tei indexは年齢,体重および心拍数との間に有意な相関を認めなかった.RV Tei indexは非心疾患犬(0.17±0.10)と比較して,中程度から重度TR (0.39±0.35),フィラリア症(0.46±0.16)および重度MRを有する軽度TR (0.61±0.14)の犬で有意に上昇していた.これらの犬のRV Tei indexの上昇は肺高血圧に関連していた[PH(-), 0.19±0.09; PH(+), 0.65±0.14]. RV Tei indexは犬においても右室の収縮および拡張機能を反映し,また年齢,体重および心拍数の影響が比較的少ないことが示唆された.今後,右心疾患の犬におけるRV Tei indexの臨床的な意義を明らかにするためのさらなる研究が必要である.
社団法人日本獣医学会の論文
2006-12-25