Botulinum C3酵素の外来性神経細胞分化誘導因子としてのポテンシャルの評価

概要

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ボツリヌス菌体外酵素C3は, Rhoたんぱく質を特異的にADPリボシル化し, 種々の神経系細胞に分化様突起の形成を誘導する.しかし, C3酵素により分化様突起が誘導された神経細胞が, 対照細胞と同様の反応性を保持しているかどうかは明らかとなっていない.そこで, C3処理細胞の反応性を, 細胞内のCa^<2+>の上昇を指標して検討した.150mM KCl刺激では, C3処理細胞, NGF処理細胞と対照細胞におけるCa^<2+>流入の時間的経過には, 差が認められなかった.また, 6種の薬物(Glutamate, Asparatate, Kainic acid, GABA, Muscarine, ACh)による刺激においても, AChに対する反応を除いて, C3処理細胞は対照細胞と同様の反応を示した.これらの結果から, C3酵素により著明な分化様神経突起が誘導された初代培養神経細胞は, 対照細胞とほぼ同様の反応性を持っていることが明らかになった.C3酵素は, 外来性神経細胞分化因子として利用できるかも知れない.
社団法人日本獣医学会の論文
2000-02-25