Botulinum C3酵素は初代培養神経細胞の乳酸脱水素酵素アイソザイムパターンを変える
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概要
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ポツリヌス菌体外酵素C3は, Rhoタンパク質を特異的にADPリボシル化する.このC3酵素は, 種々の神経系株価細胞に, 分化様突起の形成を誘導する.この変化が, 初代培養神経細胞の分化に応じて生ずる変化と同様であるかどうかを解明する目的で, C3酵素により形態変化を起こした細胞の代謝系酵素の変化を調べた.特に, 代表的な代謝系酵素である乳酸脱水素酵素(LDH)のアイソザイムパターンの変化を指標にして, C3酵素が細胞の代謝活性に及ぼす作用を解析した.初代培養神経細胞は, ICR系マウス15日齢胎仔大脳より分離し, MEM培地で培養して実験に供した.その結果, C3酵素を添加した神経細胞では, 24時間後以降から典型的な形態学的変化が観察された.また, LDHアイゾザイムパターンの変化はC3酵素添加後72時間で, コントロールに対して有意であった.LDHのH-サブユニットとM-サブユニットの比は, C3酵素の添加によって減少を示した.これらの結果から, C3酵素は初代培養神経細胞において, 特異的な代謝活性の変化を誘導することが明らかとなった.この変化は神経細胞の酵素消費を抑制していると考えられる.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2000-03-25
著者
-
森松 正美
岩手大学農学部獣医学科獣医生理学講座
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首藤 文榮
岩手大学農学部基礎獣医学講座
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渡邊 康子
岩手大学農学部獣医学科家畜生理学講座
-
森松 正美
北海道大学遺伝子病制御研究所附属疾患モデル動物実験施設
-
森松 正美
岩手大学農学部獣医学科獣医生理学教室
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