伝染性気管支炎ウイルスに感染した鶏気管病巣におけるリンパ球の動態

概要

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伝染性気管支炎ウイルス(IBV)を気管内接種した鶏気管病巣におけるTリンパ球(CD3, CD4, CD8陽性細胞)およびBリンパ球(IgG, IgM, IgA陽性細胞)の動態について免疫組織化学的ならびに病理組織学的に探索した.ウイルス抗原は接種後4日をピークとして, 16時間〜6日に気管上皮の細胞質に観察された.少数のIgG, IgM, IgA陽性細胞が接種後8時間で気管粘膜固有層に観察された.その後, IgG, IgM陽性細胞は徐々に増数し, 4日をピークとして3日から急増し, 5日から漸減した.IgA陽性細胞は実験期間中を通してIgGおよびIgM陽性細胞より少なかった.これらのBリンパ球は, 主として粘膜固有層に認められたが, 上皮細胞間にも観察された.14日以降, 粘膜固有層に形成されたリンパ濾胞の胚中心に少数のIgGおよびIgM陽性細胞が認められた.一方, CD3, CD4, CD8陽性細胞は, 接種後24〜60時間に粘膜固有層の血管周囲性に観察された.5日をピークに3〜4日からこれらの細胞は急増した.CD3, CD4およびCD8陽性細胞は, それぞれ漫性, 血管周囲性, CD4陽性細胞周囲性に観察される傾向があった。CD4陽性細胞は7日から急減し, CD3, CD8陽性細胞は14日から減少した.これらのTリンパ球は, リンパ濾胞には観察されなかった.
社団法人日本獣医学会の論文
2000-04-25