アジュバントがウサギにおけるブドウ球菌性アルファ毒素および夾膜性多糖の免疫反応に及ぼす影響

概要

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本研究は臨床的あるいは潜在的な乳房炎からブドウ球菌のワクチン株を分離し, 野生型のアルファ毒素および莢膜型多糖(CPS)の免疫反応にもっとも優れたアジュバントを選択するために実施した.臨床的および潜在的乳房炎の牛から採取した牛乳より分離した黄色ブドウ球菌30株のうち, 壊疽性乳房炎の牛乳から分離したV112株をワクチンに用いた.21頭のウサギをアジュバントの種類によって5群に分け, 2週間に2回合計8週間免役した.このワクチンはアルファ毒素(10溶血単位)およびホルマリン処理された細胞(1×10^<11>cells / ml)から構成されていた.対照群の5頭のウサギにはPBSを投与した.アルファ毒素とCPSに対する抗体価の最高値は硫酸デキストランおよび水酸化アルミニウムをアジュバントとした群で免疫後8週間目に認められた.これらの結果から一種類のアジュバンドでは, アルファ毒素およびCPS抗原に対する強力で長期にわたる免疫反応を誘発させえないことが示された.したがって, サブユニットワクチンに複数のアジュバンドを用いることは有用であると思われた.
社団法人日本獣医学会の論文
2000-03-25