モルモット回腸平滑筋のβエスシンによるスキンド化標本におけるカルバコール誘発収縮反応のニューロテンシンによる増強効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
モルモット回腸の平滑筋条件をβエスシンでスキンド化した標本において, カルバコール(CCh)で生じる細胞内カルシウム(Ca)ストア依存性収縮に対するニューロテンシン(NT)の効果を検討した.NT(10nM)はCCh誘発収縮を増強した.NTによる増強はカフェインのCa放出作用で生じる収縮においても観察された.百日咳毒素で標本を処置すると, NTの増強効果は消失した.一方, イソプロテレノールあるいはジブチリルcAPMの適用によって細胞内のcAMPレベルを上昇させた条件下でも, 同効果はなお発現した.また, 非ペプチド性のNTアンタゴニストであるSR48692の処置によってもほとんど影響を受けなかった.NTは有意なCa放出を引き起こさなかった.しかし, Caによる発生張力とCa濃度との関係(Ca濃度-張力関係)を低濃度方向に有意に移動させる作用があった.これらの結果から, NTは収縮要素のCa感受性を増大することによってCCh誘発収縮を増強する, この効果は百日咳毒素感受性のG蛋白質にリンクし, SR48692に非感受性のNT受容体を介して発現する, と考えられる.
- 社団法人日本獣医学会の論文
著者
-
小森 成一
岐阜大学応用生物科学部獣医薬理学分野:岐阜大学大学院連合獣医学研究科病態獣医学連合講座
-
小森 成一
岐阜大学農学部獣医学科家畜薬理学教室
-
海野 年弘
岐阜大学応用生物科学部獣医薬理学分野:岐阜大学大学院連合獣医学研究科病態獣医学連合講座
-
大橋 秀法
岐阜大学農学部獣医学科家畜薬理学研究室
-
海野 年弘
岐阜大学農学部獣医学科家畜薬理
-
新宮 博行
岐阜大学農学部獣医学科薬理学講座
-
磯貝 昌代
岐阜大学農学部獣医学科薬理学講座
-
大橋 秀法
岐阜大学農学部獣医学科薬理学講座
関連論文
- O-5.マウス小腸のコリン作動性神経-平滑筋のシナプス伝達におけるM_2とM_3ムスカリン受容体サブタイプの役割(消化管1,一般口演,一般演題,第51回日本平滑筋学会総会)
- 14.マウス小腸平滑筋細胞における電位依存性Caチャネルの抑制性調節に関わるムスカリン受容体サブタイプ(一般演題「消化器1」,第48回 日本平滑筋学会総会)
- 環境における毒物 : 有機スズ化合物による神経毒性(野生動物医学研究の実際)
- 177 鶏腸管における Dimethylphenylpiperazinium iodide 弛緩の機序について (生理学・薬理学分科会)(第74回日本獣医学会)
- 173 脱分極腸管平滑筋の carbachol に対する収縮反応と Ca (生理学・薬理学分科会)(第74回日本獣医学会)
- ウサギ膀胱の非コリン非アドレナリン作動性興奮神経支配調節におけるプロスタグランディンの役割
- 鶏の直結腸部Remak神経の神経路
- ニワトリの直結腸REMAK神経節の機能
- 消化管運動の内在神経性制御 (自律神経と平滑筋の再検討)
- モルモット回腸縦走筋のノルアドレナリンに対する収縮及び弛緩反応の発現に関与するアドレナリン受容体の薬理学的性質
- Mechanism of muscarinic receptor-operated cation channel activation in guinea-pig ileal smooth muscle (生体機能と創薬シンポジウム2004--イオンチャネル機能と細胞障害--創薬を目指して)
- 腸平滑筋のムスカリン受容体M2とM3を介する収縮反応:ノックアウトマウスを用いた比較・解析 (生体機能と創薬シンポジウム2004--イオンチャネル機能と細胞障害--創薬を目指して)
- モルモット回腸平滑筋のムスカリン作動性非選択的陽イオンチャネルの活性化におけるホスホリパーゼCの関与について(一般演題「イオンチャネル1」)
- 46. 腸管平滑筋における各種ムスカリン作動薬のM2あるいはM3受容体性反応の活性化効力の比較
- 消化管平滑筋におけるムスカリン受容体作動性陽イオンチャネルの活性化におけるM2およびM3サブタイプの役割 (生体機能と創薬シンポジウム2004--イオンチャネル機能と細胞障害--創薬を目指して)
- ニワトリにおける採血条件と血中カテコールアミン濃度
- 鳥類結直腸の神経による興奮性支配の血中ニューロテンシンによる調節の可能性
- 77. モルモット回腸平滑筋細胞におけるATP感受性Kチャネル活性の調節機構
- モルモット回腸平滑筋のβエスシンによるスキンド化標本におけるカルバコール誘発収縮反応のニューロテンシンによる増強効果
- 鶏の結直腸とRemak神経幹の抽出物中に存在する平滑筋抑制物質の性質
- ニワトリのレマック神経節に存在する平滑筋収縮活性ペプチドのニワトリ・ニューロテンシンとしての同定