ニワトリにおける採血条件と血中カテコールアミン濃度
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概要
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正常状態のニワトリの血中エピネフィリン(E)及びノルエピネフィリン(NE)量を知る目的で,色々な条件下で血液を採取し,THI法により,EとNEを測定した。翼下静脈からの採血で,無麻酔の場合,Eは6.1±1.4ng/ml(n=8),NEは11.7±1.4 ng/ml(n=8)であり,麻酔下ではそれぞれ4.1±0.4 ng/ml(n=8)と5.3±0.3ng/ml(n=8)であった。このNE量間の差は統計学的に有意であった。心臓穿刺による採血では,NE量(12.9±1.8 ng/ml)は殆んど変わらないのにE量(19.1±1.5 ng/ml)が著明に増大した。しかし,麻酔下ではこのようなことはみられなかった(E量, 6.9±1.5 ng/ml;NE量, 6.3±1.2ng/ml)。2羽のニワトリを麻酔下で開胸し,露出した心臓から採取した血液中のEとNE量はそれぞれ62.3±1.3 ng/mlと73.2±20.3ng/mlであった。摘出したニワトリ結直腸を血管を介して灌流しながら,Eを灌流液に添加して作用させると,10ng/ml又はそれ以上の濃度の場合は自発運動の抑制と緊張度の低下が生じた。これらの結果から,正常状態のニワトリの血中エピネフィリン量は4から7ng/mlの間に,又ノルエピネフィリン量は5から12ng/mlの間にあると考えられた。
- 1987-01-10
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