子牛の注射部位筋肉内薬物残留試験のための投薬および採材法
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概要
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アンピシリン(ABPC)水性懸濁液(200mg力価/ml) 5m1を8頭の子牛(体重50-150kg)の左右の臀部および大腿部に筋肉内注射し, 1時間後に屠殺解剖して薬剤の投与部位を確認した. その結果, 薬剤を確実に筋肉内投与するためには, 長さ15mmの注射針を用いて(1)臀部の中心部と寛結節を結んだ線上の中間部, (2)臀部中心部と坐骨結節の線上の中間部(M-CTo)および(3)大腿部の半腱様筋中心部(CF)に注射する方法が推奨された. ABPC水性懸濁液5mlを7頭の子牛(体重130-150kg)の左右のM-CToおよびCFに筋肉注射し, 1時間後(4頭)および3日後(3頭)に屠殺解剖した. 筋肉内に投与されたABPCは筋線維の走行に添って拡散するが, 放射線方向にはほとんど拡散しなかった. 3日後では, ABPCは注射部位筋肉内にのみ検出され, 隣接した別の筋肉内には認められなかった. 注射部位筋肉内のABPC濃度は部位により大きく異なっていた. 以上の結果から, 残留試験における注射部位筋肉の採材法として, 注射点を中心に約100gの筋肉を薬剤の拡散形に則して採材するとともに, その周囲の筋肉を約200g採材する方法が考えられた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1989-10-15
著者
-
高橋 雄二
(独)動物衛生研究所
-
城戸 靖雅
(財)畜産生物科学安全研究所
-
西田 由美
財団法人畜産生物科学安全研究所
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西田 由美
(財)畜産生物科学安全研究所
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高橋 雄二
(財)畜産生物科学安全研究所
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飯田 正明
(財)畜産生物科学安全研究所
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城戸 靖雅
畜産生物科学安全研究所
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