反復肝臓生検によるウシの肝臓中薬物残留評価法の有用性
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概要
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ベンジルペニシリン20,000units/kgを24頭のウシに投与し, 5頭については投薬前および投薬後0.5, 1, 2, 4, 8, 12時間, 1, 2, 3, 4, 7, 9, 11, 14および21日に肝臓組織を採取した(反復生検群)。他のウシを投薬後3, 7, 14および21日に屠殺解剖し, それぞれ肝臓組織を得た(逐次屠殺群)。投薬後3および7日に屠殺解剖したウシについて屠殺前2時間以内に生検を行い, 肝臓組織を採取した。生検試料と生検直後に屠殺解剖して得た屠体試料中のPC-G濃度の間に有意差(p=0.05)は認められず, 投薬後3および7日の反復生検群のPC-G濃度と同時点の逐次屠殺群との間にも有意差は認められなかった。また, 両群の薬物動態学的パラメーターおよび減衰直線はよく一致した。以上から, ウシ肝臓中の薬物の休薬期間を設定する場合において反復肝臓生検による薬物残留評価法は従来の逐次屠殺法に代わる有用な方法であると考えられた。
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1986-10-15
著者
-
高橋 雄二
(独)動物衛生研究所
-
城戸 靖雅
(財)畜産生物科学安全研究所
-
小田 憲司
(財)畜産生物科学安全研究所臨床試験室
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小田 憲司
畜産生物科学安全研究所
-
高橋 雄二
(財)畜産生物科学安全研究所
-
飯田 正明
(財)畜産生物科学安全研究所
-
城戸 靖雅
畜産生物科学安全研究所
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