日本における牛コクシジウムの感染率と分布
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概要
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我が国における牛コクシジウム感染の実態を明らかにするため, 1985年9〜11月に9道県下110農場の飼育牛から採取した合計1,019例の糞便材料のうち599例(59.0%)からコクシジウムが検出された. 乳用牛および肉用牛間, 品種間で検出率に差はみられなかった. 検出率は宿主の月齢に強く依存し, 0〜11か月齢では常に80%以上の高い値を示した. 逆に, 12か月齢以上では検出率は除々に低下し, 24か月齢以上の個体での検出率は平均25%以下であった. 陽性例のほとんどがOPG1,000以下であった. 今回検出された種はEimeria属11種, Isospora属1種で, それぞれの検出率は以下のようであった. E. bovis(34.8%), E. ellipsoidalis(34.3%), E. aubrunensis(25.6%), E. brasiliensis(18.8%), E. cylindrica(18.5%), E. canadensis(15.8%), E. alabamensis(12.0%), E. zuernii(9.9%), E. wyomingensis(5.4%), E. bukidononsis(4.5%), E. subspherica(4.5%) Isospora sp.(0.7%). 今回の調査成績から, コクシジウムは我が国においても若齢牛を中心に高率かつ広域に分布していることが明らかとなった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1990-02-15
著者
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