鶏の病原性大腸菌(血清型O78)からの1型線毛の分離と性状解析
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概要
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鶏の病原性大腸菌PDI-386株(血清型O78)から1型線毛を精製し, 性状を解析した. 本菌に見られた酸により誘発される自家凝集性を利用して, 酸による沈澱, 洗浄および中性緩衡液(pH8.0)への溶解により, 線毛は容易に精製できた. 電子顕微鏡観察で精製線毛は, 直径8nm, 平均長10μmであった. SDS-ポリアクリルアミド電気泳動で求めた線毛サブユニットの質量は, 19,000ダルトンであった. 精製線毛のアミノ酸組成および線毛サブユニットのN末端配列は, 既報のKlebsiella pneumoniaeの1型線毛のそれと類似していた. さらに, 免疫学的にも, K. pneumoniaeの1型線毛と交差した. これらの成績より, 大腸菌とK. pneumoniae間に見られた1型線毛の多様性は, 鶏の病原性大腸菌の間にも既に存在していることが示された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1992-12-15
著者
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伊藤 博哉
農林水産省家畜衛生試験場
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関崎 勉
農林水産省家畜衛生試験場
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宮崎 茂
農林水産省家畜衛生試験場
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宮崎 茂
(独)動物衛生研究所
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淺輪 珠恵
農林水産省家畜衛生試験場
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淺輪 珠恵
農林水産先端技術研究所
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野々村 勲
農林水産省家畜衛生試験場
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関崎 勉
(独)動物衛生研究所細菌・寄生虫病研究チーム:岐阜大学大学院連合獣医学研究科
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伊藤 博哉
農林水産省家畜衛生試験場企画連絡室
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