地中振動源による波動伝播特性

概要

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この研究は, 表層地盤中の振動源により衝撃荷重を与えたときの波動伝ぱ特性を理論的・実験的に取り扱ったものである。有限要素法を用いて地盤のもつ非線形性を考慮した解析を行ない弾性解との比較を行なって, 構造物の大きさ, その埋設深さ, 表層地盤の厚さの影響について検討している。また, 地表に設けたトレンチの伝ぱ波動しゃへい効果についても解析的に考察している。さらに, 室内模型実験, 野外実験を実施し, これらの結果が有限要素法による解析結果とよく一致することを示している。得られた結果の主なものは次のようである。(1)地盤各点の振動変位伝達率は, 表層地盤の上下振動の固有振動数付近でピークを持つ。また高い振動数成分の波動ほど伝ぱ距離の増加に対して早く減衰する傾向にある。(2)有限要素法の結果によれば, 埋設構造物内に加振源がある場合, その波動は, 構造物が大きいほど, 埋設深さが深いほど, 表層地盤の層厚が大きいほど遠方まで伝わりやすい。(3)トレンチによる振動しゃへいは, トレンチが深いほど, その位置が加振点に近いほど効果的である。
社団法人地盤工学会の論文
1977-06-15