粘性土の減衰特性, とくに減衰定数について

概要

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この報告は, 室内での土中の波動伝ぱ実験を通じてそのヒズミレベルを10^<-4>〜10^<-3>レベルに固定し, 実験的に粘土のもつ波動特性を媒介にして動的特性(変形係数, 減衰定数)を考察している。さらに自由振動実験, 強制振動実験などを併用することによって, 動的レオロジーの立場から粘性土の減衰特性が周波数に依存すること, および波動減衰特性が応力レベルによって変化することを確かめ, その特性が弾性あるいは粘弾性的と考えられる応力(ヒズミ)レベルを明確にしている。また, 実験結果を三要素線形粘弾性モデル(spring-Voigtモデル)を用いて整理し, そのモデルのレオロジー定数を求めている。得られた結果の主たるものはつぎのとおりである。(1)飽和粘性土中を伝ぱするrod waveの波速は拘束圧力の0.4乗に比例して増加する。波速から求めた動的弾性係数は三軸試験で求めた静的弾性係数の3〜6倍であり, ヒズミ速度依存性が顕著である。(2)波動減衰の距離に対する割合は三軸圧縮強度の20〜30%の応力レベル以上ではきわめて大きく, それ以下ではゆるやかで土を粘弾性的に取り扱うのが有効である。
社団法人地盤工学会の論文
1977-06-15