粘弾性体としての土中の波動特性の考察

概要

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Bio〓によって進展された弾性多孔質材料内の波動伝パ特性に関する研究は, 一種の混合体としての土の物性を導入する点で高く評価されるが, なおかつ土中の波動特性に関する定量的評価に信頼性を欠くうらみがある。この論文では, 工学的に興味のある第1種の波の波動特性について線形粘弾性理論の立場から実験的および解析的に考察している。まず, 土中の波動伝パ時に得られた応力-ヒズミ曲線から考えて, ヒズミレベルが10^<-4>〜10^<-3>では土は粘弾性的挙動を示すので, 実験でのヒズミレベルはすべてこの範囲に制御された。ついで, 偏差応力と偏差ヒズミの関係をばね-Voigt系モデルで近似すると, 広範な振動数領域における土の挙動を表現しうることが知られ, このモデルの自由ばねが土粒子と間ゲキ水とのカップリングに独立な弾性的挙動を示す反面, Voigt部分が両者のカップリング挙動を表現すると述べた。また, 波動特性を表現する一つのパラメーターとしての時定数は振動数に依存し, 疑似静的状態(10^<-2>cps程度)では数秒の次数であり, 一方1cps以上の動的状態では10^<-2>秒の次数の一定値をとることを示した。
社団法人地盤工学会の論文
1976-03-15