フォーミーウイルスによる胚性インターフェロン・タウの細胞内発現とHIV感染の抑制(ウイルス学)
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概要
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インターフェロン・タウ(IFN-τ)は,反芻動物の妊娠・着床期に胚のトロホブラスト細胞から時期・細胞特異的に分泌される母体の妊娠認識に不可欠な因子である.IFN-τには他のIFNと同様に抗ウイルス活性や細胞増殖抑制作用が存在するが,母体の妊娠認識以外に生体内における作用は分かっていない.一方,人や猫のフォーミーウイルス(FV)はレトロウイルス科に属する内在性のウイルスであるが生体内では毒性を示さない.そこで,羊(o)lFN-τを人(h)FV遺伝子のbel-2領域に導入し,「Live vector」としての汎用性を試験した.oIFN-τ/hFVコンストラクトをリポフェクチン法でTまたはマクロファージ系細胞株に導入し,12日間または90日間の培養後にそれぞれの導入遺伝子の安定性とHIV感染試験をした.その結果,oIFN-τ/hFV感染細胞内ではoIFN-τが効果的に発現されるだけではなく,HIVの感染抑制が顕著に見られた.したがって,oIFN-τはHIVに対する抗ウイルス活性を有し,hFVは「Live vector」としての汎用性が高いことが示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2004-02-25
著者
-
岡田 秀親
名古屋市立大学分子医学研究所生体高分子部門
-
岡田 秀親
Institute Forprotein Science Co.
-
岡田 秀親
名古屋市立大学分子医学研究所
-
今川 和彦
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
奥山 治美
名古屋市立大学薬学部
-
林 秀敏
名古屋市立大学大学院薬学研究科生物薬品化学教室
-
奥山 治美
名古屋市立大学大学院薬学研究科生物薬品化学教室
-
岡田 則子
名古屋市立大学大学院医学研究科免疫学分野
-
今川 和彦
東京大学大学院農学生命科学研究科動物育種繁殖学教室
-
今川 和彦
東京大学 獣・動物育種
-
藤井 陽一
名古屋市立大学大学院薬学研究科予防薬食学分野
-
林 秀敏
名古屋市立大学薬学部
-
奥山 治美
名古屋市立大学大学院薬学研究科
-
岡田 則子
Department Of Immunology Nagoya City University Graduate School Of Medical Sciences
-
岡田 則子
名古屋市立大学 生体高分子
-
藤井 陽一
名古屋市立大学大学院薬学研究科生物薬品化学教室
-
村瀬 泰規
名古屋市立大学大学院薬学研究科生物薬品化学教室
-
大竹 かおり
国立名古屋大学病院
-
横田 恭子
国立感染症研究免疫部感染免疫室
-
大本 真也
名古屋市立大学大学院薬学研究科生物薬品化学教室
-
河合 正博
名古屋市立大学医学部分子医学研究所生体高分子教室
-
Imakawa Kazuhiko
Laboratory Of Animal Breeding Graduate School Of Agricultural And Life Sciences The University Of To
-
村瀬 泰規
名古屋市立大学大学院薬学研究科生物薬品化学教室:東京大学大学院農学生命科学研究科動物育種繁殖学教室
-
Fujii Yoichi
Graduate School Of Pharmaceutical Sciences Nagoya City University
-
岡田 秀親
名古屋市立大学
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