LPS処理されたマウスのマクロファージにおけるTLR4とTNF-αを介したNODIとNOD2の発現亢進(生化学)
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概要
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細菌感染時,NOD1やNOD2は細胞内防御因子として機能すると考えられている.そこで,エンドトキシン(LPS,LTAやPGN)処理後のマウス・マクロファージ細胞でのNOD1やNOD2 mRNA発現量を解析した.マウス・マクロファージRAW264.7細胞をエンドトキシンで処理すると,2時間後と8〜12時間後にNOD1とNOD2 mRNAの発現上昇が見られた.早期(2時間後)の発現上昇はNF-κB抑制剤(CAPE)で押さえることが出来たのでNF-κBを介していると考えられた.LPS処理されたRAW264.7細胞では,NOD1とNLOD2の発現が抗TLR4抗体で抑えられ,TLR4遺伝子改変(TLR4・KO)マウスの腹腔から得られたマクロファージでも発現の低下傾向が見られた.TNF-α・KOマウスから得られたマクロファージでもエンドトキシンによるNODの発現上昇が見られなかった.RAW264.7細胞において,エンドトキシン処置12時間後に見られる後期のNOD mRNAの発現上昇は抗IL-1β抗体や抗IL-6抗体では抑えられなかったが,抗TNF-α抗体によって抑制することができた.これらの結果から,エンドトキシン処置後に早期発現するNODはTLRを介したNF-κBによると考えられ,NODの後期発現はTLR・NF-κB・NODを介したTNF-αによると考えられた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2006-05-25
著者
-
堀 正敏
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医薬理学教室
-
尾崎 博
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医薬理学教室
-
審良 静男
大阪大学微生物病研究所
-
審良 静男
大阪大学免疫学フロンティア研究センター・自然免疫学研究室:大阪大学微生物病研究所・自然免疫分野:大阪大学21世紀coe・オルガネラネットワーク医学創生プログラム
-
高橋 祐司
東京大学大学院農学生命科学研究科動物育種繁殖学教室
-
今川 和彦
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
今川 和彦
東京大学大学院農学生命科学研究科動物育種繁殖学教室
-
今川 和彦
東京大学 獣・動物育種
-
五十鈴川 和人
東京大学大学院農学生命科学研究科動物育種繁殖学教室
-
村瀬 泰則
東京大学大学院農学生命科学研究科動物育種繁殖学教室
-
今井 美沙
東京大学大学院農学生命科学研究科動物育種繁殖学教室
-
山本 慎也
東京大学大学院農学生命科学研究科動物育種繁殖学教室
-
飯塚 真央
東京大学大学院農学生命科学研究科動物育種繁殖学教室
-
BAHR George
パスツール研究所,フランス
-
百渓 英一
(独)農業・生物系特定産業技術研究機構動物衛生研究所
-
今井 美沙
東京大学 獣・動物育種
-
審良 静男
大阪大 微生物研
-
Bahr George
パスツール研究所 フランス
-
尾崎 博
東京大学・農学生命
-
堀 正敏
東京大学 大学院農学生命科学研究科 獣医薬理学教室
-
百渓 英一
動物衛生研究所病理学
-
Imakawa Kazuhiko
Laboratory Of Animal Breeding Graduate School Of Agricultural And Life Sciences The University Of To
-
審良 静男
大阪大学大学院医学系研究科微生物病研究所自然免疫学研究分野
-
審良 静男
大阪大学 微生物病研究所 自然免疫学
-
尾崎 博
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医薬理
-
堀 正敏
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医薬理
-
Ozaki Hiroshi
Department Of Veterinary Pharmacology Graduate School Of Agriculture And Life Sciences The Universit
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